脱力トレーニング ラケットから力を伝える

 

タイトルとは直接関係ないけどw

久しぶりに、修練でミットを使った打撃をやった。

これはこれで、力の浸透度合いを測るのに役立つ。

というわけで、神戸に一つ持ってきた。

 

 

打撃の難しさは、

反動に対して身構えてしまうところ。

インパクトの瞬間に力が入ってしまう。

多分、普通のスポーツだと、

ギリギリまで脱力して、

インパクトの瞬間にだけ力を入れるんじゃないかな。

だけど勁力を使った打撃においては、

インパクトの瞬間、

さらに力を抜く必要がある。

力を抜いて、

対象との接触面の向こう側へと勁力を通す。

反動に対して身構えてしまうと、

これが出来ない。

 

 

この、インパクトの瞬間に力を抜く技術は、

もちろん卓球やテニスなど、

ボールを打つ競技にも応用できる。

ラケットがボールに当たる直前、

力のベクトルを延長させる方向に脱力する。

それによって、対象からの反動の少ない、

効果的な力の伝達が可能になる。

まあ簡単に言えば、

楽に強いボールを打てるようになるってこと。

 

そのために必要なのは、

どこをどう脱力すれば、

どんなベクトルが流れるのかという感覚。

それを体験的に理解するのが、

脱力トレーニングの一つの目標だと言える。

残念ながらこればかりは、

言葉や文章で伝えることが出来ない。

ぜひ、カラダに直接触れて、

感じ取ってもらいたい。

 

 

脱力流体トレーニング 正面、手の甲側から力を伝える

 

卓球をやってる修練生の仲間に入りたくて、

週一で練習し始めて2カ月。

「温泉卓球では無双できますよ‼︎」

なんてことを言われて素直に喜べないのは、

目標が高いからか、

自分の現状が見えてないからかw

 

 

元々球技は苦手ではないので、

フォアハンドはそれなりに打てるようになった。

ただ、問題はバックハンド。

慣れない動きなので、

狙ったところにスムーズにラケットが出ない。

 

手の甲側から力を伝えるのは、

太極拳だと推手という修練があり、

そこそこ慣れている。

格闘技的にも裏拳を使ったりするので、

そこまで珍しい動きじゃない。

 

じゃあ、なぜ卓球のバックハンドが難しいのか。

理由は身体をボールに正対して打つ点にある。

推手も裏拳も、あるいはテニスのバックハンドも、

基本的には身体を半身にして行う。

半身になることで、

腰、背中、肩を大きく使える。

手の甲側にスムーズに力を伝えられる。

ところが身体の正面で手の甲側に力を伝えるのは、

思ってるより相当難しい。

 

そこで、卓球のバックハンド用に、

修練を考えてみた。

 

 

手のひらを、自分の胸に当てる。

その上から相手に手首を押さえてもらう。

そこからどうやって腕を前に伸ばすか。

腕の力ではどうやっても伸びない。

体重をかければ相手を押せるかもしれないけど、

やっぱり腕は伸びない。

 

そこで、脱力が必要になる。

全身を脱力して固体から流体に変わることで、

地面からの力を効果的に腕に伝えられる。

まずは腕から、続いてラケットへと。

上手くなればその場でボールの威力が変わるので、

ぜひ試してみてほしい。

 

 

脱力トレーニング 脚から力を伝える

 

 

一説には、脚は腕の3倍の筋力があるらしい。

多少乱暴に扱っても、

たいていの目的は達せられる。

だから、うまく使えるようになるのは難しい。

 

 

そこで、普通に力を入れただけでは、

到底できないような形で修練をする。

今回の修練では、しっかりと抱えられた脚を、

相手ごと左右に動かしている。

曲げたり伸ばしたりは筋力も出しやすいけど、

横方向に力を出すのは難しい。

 

そこで、股関節を脱力して、

足先、さらには相手のカラダまで、

正確に力を通すトレーニングを行う。

脚の使い方が上手くなると、

サッカーやセパタクローに役立つだけじゃない。

人が立って動く以上、

必ず脚と地面との間で力のやりとりが行われる。

立つ、歩く、走る、跳ぶ。

全ての動作において。

つまり、脚の使い方が上手くなると、

運動能力全般が底上げされるってこと。

ほぼ全てのスポーツにおいて、

パフォーマンスの向上が期待できる。

 

ただ最初に書いたように、

脚のトレーニングはただの筋トレになってしまいやすい。

ちゃんと相手がいる状況で、

お互いにチェックしながら行うことが、

他のトレーニング以上に大切だと思う。

 

 

脱力トレーニング 腕を鞭化する

 

 

脱力トレーニングの基本となる、腕の脱力。

腕を鞭のように使うことで、

力をダイレクトに対象に伝えることができる。

 

 

人の脳における運動野の8割を、

手を含む腕が占めているという研究があるらしい。

実際、生活において最も動かすことの多い部分だし。

ということは、腕の使い方を変えることは、

カラダの使い方全体に波及する可能性が高い。

 

それに、脱力感を取りやすい部位でもある。

肩からぶら下がっているので、

落下感を感じやすいから。

手を挙げて、力を抜けば落下する。

リンゴがなくても、

ニュートン先生じゃなくても、

重力の働きを感じられる。

 

ただ、頻繁に使うということは、

力みやすい部分だとも言える。

パンチやスイングなど、

勢いよく対象に当てるものは特に。

なので、対象に触れたところから始めると、

脱力した腕から力を伝える感覚が分かりやすい。

 

 

姿勢を整えることで変わるもの

 

子供の頃から、ずーっと猫背だった。

武術を始めて最初に取り組んだのが、姿勢の改善。

1年くらい意識し続けて、なんとか形だけは整えた。

 

 

思い返せば、猫背については、

ことある度に注意されていた。

親に。

習字の先生に。

剣道の先生に。

でも、その時はなおす必要性を感じなかった。

誰一人として、良い姿勢が何で必要なのか、

分かるように教えてはくれなかった。

 

それが、武術をやるようになって、

初めてちゃんと教えてもらえた。

そして修練の中に、姿勢を整えるトレーニングが、

システムとして組み込まれていた。

 

 

姿勢を整えることで何が変わるのか。

運動面で言えばまず、力学的に安定する。

結果として、余計な力を使わずに動ける。

また、外からの力に対しても強くなる。

このことだけを取り上げても、

スポーツをやるならまず、

姿勢の改善に取り組むべきじゃないだろうか。

 

次に、ものの見え方が変わる。

猫背になって頭が前に出る程に、

視野はどんどん狭くなる。

これもスポーツをやる上では致命的。

普通にしてれば見えるはずのものが見えなくなる。

最近は視覚の訓練法もあるみたいだけど、

それ以前にやるべきことが姿勢の改善じゃないかと。

 

そして最後に、見られ方が変わる。

これは二人で向かい合ってみれば分かるのだけど、

姿勢を崩したり整えたりするだけで、

人に与える印象が随分と変わる。

言葉は悪いけど、圧力みたいなものが変化する。

不必要な上下関係ができたりもする。

そう、別にスポーツをやってなくても、

普段の生活にも姿勢の影響は出てるんだ。

 

ちなみに私の母親は、

姿勢を意識するようになっただけで、

酷かった肩コリが解消した。

肩コリに悩む人も、

とりあえず姿勢を整えてみたらどうかな。

 

 

脱力流体トレーニング 座位

 

 

ヒトのカラダは6割以上が水分。

だから脱力して、カラダを流体として使う。

 

 

練習のポイントは、

相手との接触面を押そうとしないこと。

流体としての力が、

接触面を通り抜ける感触をよく感じたい。

筋力で押すと、押せたとしても、

2人並んでいる前の人から動き出す。

ちゃんと力を通すと、後ろの人から動き出す。

前後どちらから動き出すかが、

正しく脱力トレーニングになってるかどうかの目安。

動画のように座位で腹から始めると、

緩めやすくて分かりやすい。

 

脱力的スイング練習 基礎編

卓球やテニスのスイングでちゃんと力を伝えるのは、

結構難しい動きだと思う。

なので、スイングの練習をするなら、

肩→肘→手首と順番に行うのがいい。

 

 

腰の動きで地面から肩まで力を上げてきたら、

そこから肩、肘の脱力で手まで力を通す。

ロスなく伝わる程に、

腕や肩にかかる負荷は少なくなる。

頑張って振らなくても、

楽にボールが飛ぶようになる。

 

注意するポイントは、

肩から先に動かないこと。

腰の回転で振るというみんな知ってることが、

チェックしてみると意外と出来ない。

卓球やテニスをやってる人は、

練習相手に肩を掴んでもらうよう頼んで、

一度チェックしてもらったらいいと思う。

掴まれた肩を楽に回せるようになるだけで、

スイングは全然違うものになるから。

 

 

脱力的ストレッチ論 基礎編

 

今でも大したことはないけど、

昔はホントにカラダが固かった。

朝メシ前ストレッチを毎日やるようになって約15年、

ようやく人並みには柔らかくなったかと思ってる。

正直、かなり苦労をしてきたので、

これからカラダを柔らかくしたい人に、

少しだけアドバイスを。

 

一番気をつけたいポイントは、やっぱり脱力すること。

頑張って曲げ伸ばしするのはNG。

子供はそれでもなんとかなるけど、

大人は筋肉や腱を傷めてしまう。

力を抜いて、カラダが自然と倒れる形で行うのがいい。

ただ、以前の自分を含めて、

カラダの固い人はそもそも正しい形が取れない。

脱力して前屈をしたくても、

力を抜いたら骨盤が後ろに倒れてしまう。

そんな時は、お尻の下に分厚いものを敷いてほしい。

とにかく、どうやったら脱力してカラダを倒せるか。

そこを最大限工夫する。

 

もう一つ重要なのが、 どこの関節を動かすのか、

ハッキリと理解して意識すること。

例えば前屈の場合、動かすのは股関節。

腹筋も大腿四頭筋も、全く力む必要がない。

ただ、多くの場合はそもそも、

カラダのつくりをちゃんと知らない。

出来れば骨格標本を見て、

どこにどんな関節があるのか、

それらはどんな風に動くのかを確かめよう。

それだけでも、

間違ったやり方を頑張って傷めてしまう、

というリスクを大きく減らせるから。

 

最後に気をつけたいのは、

ストレッチをするタイミング。

自分は朝メシ前にやってるけど、

カラダを柔らかくしたいならこれもNG。

お風呂上がりのリラックスした時にやるのがベスト。

朝やるメリットは、

目が覚めて1日を調子良く始められること。

柔らかくする目的にはそぐわないので注意。

 

以上、簡単だけど、ストレッチの注意点を書いた。

役に立ててもらえると嬉しい。

 

股関節を緩める効果

 

先日テレビで、

「股関節をリセットする方法」

が紹介されてたらしい。

それをやると、

脚の長さが2,3センチ変わるそうだ。

なるほど。

「スポーツの成績が伸びるから」

でも、

「健康寿命が延びるから」

でもなく、

「脚の長さが伸びるから」

股関節を緩めようってわけだ。

ま、理由なんてなんだっていいよ。

脚の長さを伸ばすための努力が、

介護リスクを減らすことにもつながるのだから。

結果オーライ。

 

ちなみに股関節を緩めると、

上半身と下半身のつながりが良くなる。

地面からの力を効果的に腕に伝えられるようになる。

例えば卓球やテニスのスイングで、

楽に強いボールを打てるようになる。

また、カラダのバランスを取る力がアップする。

股関節がツルツルと滑って動くことで、

ココというタイミングで自然と足が出る。

激しくぶつかるスポーツはもちろん、

ホントは高齢者の転倒予防にも役立つ。

さらに、見た目の利点もある。

普通の人は歩く時に膝をメインで動かしている。

それが股関節から動くことで、

脚のコンパスを長く使える。

実際に脚の長さが伸びるだけでなく、

より長く見える使い方になる。

 

というわけで、

動機なんてなんだっていいから、

股関節を緩めてみようよ。

 

カラダの内と外を合わせることから始めてみよう

 

「リリーフランキーとか宮藤官九郎とか、

別にイケメンじゃないけどカッコいいよね」

と、昨日きた患者さんが言ってた。

確かにそう思った。

そして、あのカッコよさはどこから来てるのかと考えた時に、

「自分に素直」「自然体」

なんてキーワードが浮かんできた。

 

 

ココロの問題にしても、カラダの不調にしても、

一番の問題は、内と外がズレていることだと思う。

 

太極拳の注意ポイントの一つに、

「内外合一(ないがいごういつ)」

ってのがある。

中身と外側を一致させようって話。

わざわざポイントとして挙げるくらいだから、

普通にしてるとほとんどの人はズレちゃうわけ。

 

まことに失礼ながら、

カラダのズレはここで言っても分からないと思う。

もちろん脱力トレーニングをやれば分かるけど(笑)

なのでココロの面で考えてみたら、

みんな思い当たる節があるんじゃないかと。

 

職場で、上司の前で、同僚の前で。

学校で、友達の前で、先生の前で。

家で、親の前で、子の前で。

思ったこと、ちゃんと言えてる?

人間関係のストレスなんて、

自分に正直に生きてれば、全然ないはず。

なのに、まわりの顔色をうかがって、

言いたいことを我慢する。

こうやって自分の内面と外ヅラの距離が開くほどに、

ココロの調子は悪くなる。

いずれカラダにも問題が出てくる。

原因不明の肩コリ、腰痛、不眠、

肌荒れ、湿疹、冷え、のぼせ、などなど。

経験上、分かるでしょ。

 

でも、いきなり人前で本音を言うのは怖い。

建前を否定されても大して気にならないけど、

本音を否定されたらダメージが大きいから。

ココロの内と外を合わせるのは、

理屈としてはカンタンなんだけど、

人によっては心理的抵抗がとっても大きい。

 

なので、そういう私みたいな人は、

カラダの内と外を合わせることから始めたらどうかな。

カラダのことは文字では伝えづらいけど、

直接触れて体験すればきっと分かる。

 

心身一如って言葉があるように、

ココロとカラダは一つのもの。

どちらから取り組んでも、ちゃんと両方に影響がある。

色々考えてもうまくいかない人は、

カラダから始めてもいいんじゃないかな。