なぜ、「脱力」が必要なのか?

 

こんにちは、ワタルです。

今回は、なぜ脱力が必要なのかというテーマです。

「肩の力を抜きなさい」とか、

「もっとリラックスした方が良い」とはよく言われることです。

スポーツをやっている方ならなおさらだと思います。

監督やコーチ、トレーナーや親からよく出るアドバイスですよね。

だけどそもそも、

「なんで力を抜くのかが分からない」

というのが、言われた本人の実感だと思うのです。

分からないから出来ないし、そもそもやろうと思えない。

納得できないことをやらないのは当たり前ですよね。

ここで偉そうなことを書いている私自身がそうでした。

でも、今ならわかります。

力は抜いたほうがいい。

なぜか。

 

力を抜けば力が出る

といわれても、そもそも力んでいると力が弱くなるということが納得できないですよね。

とりあえず理屈だけ説明しましょう。

力むと筋肉は固くなります。

筋肉は縮むことと伸びることで動きを作り出します。

ですから筋肉が固くなると、スムーズな動きが出来なくなります。

要はサイドブレーキを引いたままアクセルを踏むようなもの。

これでは強い力が出なくて当然ですよね。

もう一つの理由は体重をうまく使えないから。

力んで身体が固くなると、体重をスムーズに移動させることが難しくなります。

その結果、腕なら腕、脚なら脚だけの力で動作を行ってしまうのです。

けれども力を抜いて身体が緩むと、体重移動そのものが楽に行えるようになります。

その結果、体重の乗った強い力が出せるのです。

 

確認方法

全身に力をギュッと入れたまま歩いてみて下さい。

ふくらはぎ、太腿、お腹、腰、胸、背中、肩、腕、手、首と、

思いつく限りの場所に力を込めて歩いてみましょう。

おそらく、というか間違いなく、歩きづらいですよね。

そこで今度は力を抜いて、普通に歩いてみて下さい。

格段に楽になったはずです。

力を抜いたほうがいいというのは、単純にこういうことなのです。

まずは歩くという「体重移動」がしやすくなるということが理解できたと思います。

 

体重移動を力に変える

ただ、ほとんどの人は最初、力を抜いたら弱くなります。

それはなぜかというと、体重移動を力に変えることができないからです。

そのため、どうしても何かしようとしたときに力んでしまう。

これは仕方のないことで、だから繰り返し練習する必要があるのです。

その時の注意ポイントとしては、

・絶対に力まないこと

・下向きの力から練習すること

・骨盤から動くこと

などが挙げられます。

目的は、自分の数十キロの体重を効率よく力として扱うこと。

その効率が上がるにつれて、力む必要が無いことがより深く理解できるでしょう。

 

 

骨盤の動きで地面からの力を使う

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、骨盤を自由に動かす修練について書きます。

武颯塾の基本的な修練の一つに「骨盤旋回」があります。

これは文字通り、骨盤を立体的に回す修練です。

立体を構成するためには縦・横・高さの3つの軸が必要ですが、

骨盤旋回も同様に3つの軸の周りを骨盤が回るように動かします。

この単純な動きを修練することで得られる効果が今日お伝えしたいことです。

 

骨盤旋回のやり方

まずは骨盤が回るための3つの軸について説明します。

1つ目は「独楽軸(こまじく)」といい、

立位において頭の天辺から両足裏のちょうど真ん中までを、

縦に貫いている軸のことです。

2つめは「滑車軸(かっしゃじく)」といい、

骨盤の真ん中を前後に貫く軸のことです。

3つ目は「車軸(しゃじく)」といい、

同じく骨盤の真ん中を今度は左右に貫く軸のことです。

これら3つの軸の周りを骨盤が回るように動かすことが、

骨盤旋回の最も基本的なやり方になります。

 

骨盤旋回を行う上での注意点

一人で骨盤を動かしていると、案外簡単だと思うかもしれません。

ですがもう一人に骨盤を軽く触ってもらうことで、

自分の動きがどのようなものかわかりやすくなります。

実際、骨盤で正しく円を描ける人はほとんどいません。

特に滑車軸や車軸を中心に骨盤を回す動きについては、

日常生活で行うことがまずないです。

人に触ってもらったりあるいは人を触ることで、

いかにぎこちない動きをしているかがわかります。

出来れば2人一組で行うようにすると効果が出やすいです。

もう一つ大きな注意点ですが、

膝を動かした結果として骨盤の動きを出すわけではありません。

滑車軸や車軸の回転については膝の動きも必要なのですが、

あくまでそれは「骨盤が動いた結果」としての膝の動きなのです。

膝のリードを使わずに骨盤を動かそうと思うと、

必然的に腹背や股関節の動きが重要になってきます。

ここに注意しながら行うことで、さらに効果が上がります。

 

骨盤旋回の効果

骨盤を3つの軸を中心に正しく円を描くように動かすことで、

次のような効果が得られます。

1.地面からの力を使えるようになる

2.腰痛の改善

3.シェイプアップ

詳しく見ていきましょう。

 

1.地面からの力を使えるようになる

運動という観点からみると、これが一番大きな効果です。

野球のバッティングやボクシングのパンチだけでなく、

さまざまなスポーツにおいて「体幹」や「下半身」の重要性が言われています。

ですが、ただ「体幹」や「下半身」を闇雲に鍛えても、

それはあくまで自分の「筋力」の範囲でしか力を出すことができません。

しかもそれで腕を使うとなると「腕の筋力」という制限が加わります。

骨盤旋回に習熟することで得られる力は自分の「筋力」の制限を取り外すものです。

骨盤が動くことによるカラダの中の「圧力」の変化を力として使うからです。

そしてその圧力の変化は、地面との関係において生じるものです。

ですから骨盤を動かすことで力を発揮すると、

主観的には「地面からの力を使った」ように感じられるのです。

 

2.腰痛の改善

骨盤旋回を正しく修練することで、腰痛の改善にもつながります。

なぜなら骨盤できれいな円を描こうとすれば、

どうしてもお腹や腰周り、股関節を緩めなければならないからです。

多くの場合はこのあたりの固くなっている部分が邪魔をして、

いびつな円しか描けないことでしょう。

でもそれを意識して注意深く行うことで、

自分のどこが固いのかが分かるようになります。

その固い部分を緩めていくことできれいな円を描けるようになるし、

結果として腰痛も改善されるというわけです。

 

3.シェイプアップ

これも腰痛の改善と理由はほとんど同じなのですが、

普通の生活においてお腹や腰周り、股関節を主体的に動かすことはありません。

ウォーキングやジョギングをしている人を見ていると、

たしかに腕や脚は良く動いています。

しかしお腹、腰周り、股関節といった部分はほとんど動いていません。

「運動しているわりに脇腹や下腹の肉が落ちない」

という話をよく聞きますが、

早い話がそこは動いていないのです。

骨盤旋回はそんな普段動かさない場所を集中的に動かすので、

落ちにくい脇腹や下腹の肉が取れてシェイプアップにつながるのです。

 

最後に

骨盤旋回に限らず、「正しい身体の動かし方」は一人で学ぶことが困難です。

興味のある方はぜひ一度、武颯塾に足を運んでみて下さい!!

 

P.S.

もっと多くの方に来て頂いて、
より幅広く学べる環境。

さまざまな取り組みをされている人たちが、
「脱力」というキーワードで交流できる場所。

武颯塾大阪支部と神戸修練会を、
そんな場所にしていきたいと思っています。

このブログを読んで興味をお持ちでしたら、
ぜひ、ご連絡ください。

修練参加でも、質問でも何でも結構です。

ピンとくるものがあれば、
遠慮なくメールをください。

musou-tensei@eurus.dti.ne.jp

楽しみにしております!!

 

macpac tuatara25(マックパック トゥアタラ25)

こんにちは、ワタルです。

先日、少し遅れの誕生日プレゼントを買ってもらいました。

それが上の写真にあるリュック、

「macpac tuatara25」

です。

macpacというのはニュージーランドのアウトドアメーカーで、

tuatara25というのがモデル名です。

「25」という名前が示す通り、容量は25リットル。

普段使いでも違和感のないサイズで、しかも少し大きめの荷物も入る。

買ってもらったばかりですけど、随分と重宝しています。

というわけで今回は、このリュックについて詳しく紹介したいと思います。

 

リュック選びのチェックポイント

まず、私がこのリュックを選んだ経緯についてですが、

購入に当たってはいくつかのチェックポイントがありました。

 

1.容量

「普段使いながらも、2泊3日の武術合宿に参加できる」という、

随分ワガママな希望をもってました。

具体的には、道着、2日分の着替え、バスタオル1、タオル1、手ぬぐい1と、

その他こまごまとしたものが入る大きさが必要でした。

 

2.小物の収納

普段使いにおいて重要なポイントは「小物がスッキリと収納できる」です。

財布、手帳、携帯、ティッシュ、筆記用具などが、

すぐに取り出せるように分かりやすく収納できることも、

リュック選びの大切なポイントです。

 

3.荷物の取り出しやすさ

ある程度容量の大きなリュックになると、

「底の荷物が取り出しにくい」

という問題がでてきますよね。

わざわざ上の荷物を一旦外に出さないと、

底の荷物を取り出すことができない。

この問題を出来る限り解決したリュックを求めていました。

 

4.機能性

リュックとしての機能も大切な評価ポイントです。

わざわざアウトドア用のリュックを買う理由は、

やはり高機能であることを求めていたからです。

特に身体へのフィット感や、荷重の配分は重要ポイントです。

 

5.デザイン

リュック選びのポイントとして最後に挙げるのは「デザイン」です。

やはり何と言っても「見た目」が気に入らないと、

使いたくはないですからね。

 

チェックポイント毎の採点結果

以上5つのポイントから買ってもらうリュックを選んでいた時に、

最終候補として残ったのが、

「macpac tuatara25」「Gregory コンパス30」
でした。

それぞれのリュックの各チェックポイントにおける評価は次の通りです。

(☆5つを満点とします)

 

1.容量

macpac tuatara25:☆☆☆☆

Gregory コンパス30:☆☆☆☆☆

普段使いとしては25リットルで必要十分なのですが、

合宿参加を考えると30リットルあった方が安心。

 

2.小物の収納

macpac tuatara25:☆☆☆☆☆

Gregory コンパス30:☆☆☆☆☆

どちらもリュックとしては最大限、

ポケットの仕分けに工夫がされていると思います。

(以下、写真は全て macpac tuatara25のものです。)

macpac tuatara25

 

3.荷物の取り出しやすさ

macpac tuatara25:☆☆☆☆

Gregory コンパス30:☆☆☆☆☆

最終候補をこの2つのリュックに絞ったのは、

どちらも荷物が取り出しやすい構造になっていたからです。

特にGregory コンパス30においては、

背中に触れる部分が丸ごと開くのが魅力的でした。

macpac tuatara25も他のリュックよりも開口部が大きく取られているのが、

購入の決め手の一つになりました。

macpac tuatara25

 

4.機能性

macpac tuatara25:☆☆☆☆☆

Gregory コンパス30:☆☆☆

どちらも荷物を詰め込んだ時にカラダにフィットして、

荷重をうまく分散してくれるように感じました。

ただ、背中に当たる部分や肩ベルトのクッションは、

macpac tuatara25の方がしっかりしたものを使っています。

あと、腰周りのベルトもmacpac tuatara25にはありますが、

Gregory コンパス30にはありませんでした。

また、細かいところに感じるかもしれませんが、

macpac tuatara25のファスナーがとてもスムーズに開閉できたのが、

私にとってはポイントが高かったです。

Gregory コンパス30に限らず他のアウトドアリュックと比べても、

断然開け閉めがしやすかったので。

macpac tuatara25

 

5.デザイン

macpac tuatara25:☆☆☆☆☆

Gregory コンパス30:☆☆☆☆

これは好みの部分と使用目的の部分が大きいのですが、

macpac tuatara25の方が背負った時にスッキリ見えました。

もちろん5リットルのサイズの違いもあるので単純な比較はできませんが。

macpac tuatara25のもう一つのデザインの特徴は「生地」にあります。

「アズテック」というナイロンとコットンの混紡繊維を使っていて、

普通のナイロンと比べてとてもしっかりとした生地感になっているのです。

この生地には防水機能もついており、

macpac tuatara25を選ぶ大きな理由になりました。

macpac tuatara25

 

総合評価

macpac tuatara25:☆☆☆☆☆

Gregory コンパス30:☆☆☆☆

本当に迷ったのですが、

最終的には容量よりも機能性とデザインを優先してmacpac tuatara25を選びました。

ただどちらも良い作りであることに間違いはないので、

これからリュックを購入される方は候補として検討する価値がありますよ。

 

「重力感覚」による身体認識への移行

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、「重力感覚による身体認識への移行」について書きます。

上の絵は、地球上すべてに働いている重力のうち、

自分に働いている部分を手掛かりとして、

身体を認識しているというイメージです。

 

何を手掛かりとして自分の身体を認識し、動かしているのか

これが、最近の修練において重要だと感じていることです。

この、自分の身体を認識するための手掛かりには、

幾つかのものが考えられます。

もちろん「視覚」、つまり見えていることによる自己認識もありますが、

ここではそれ以外の手掛かりについて考えていきます。

 

身体認識の手掛かりになり得る感覚

一つは、「触れている」という感覚。

例えば立っている時の足裏や、物を持っている時の手のひら。

座っている時のお尻や背中、寝ている時であれば布団に触れている部分すべて。

こういった、何かに「触れている」感覚があるところについては、

まちがいなく「自分の身体」だと思えるわけです。

 

次に考えられるのが、「温かい」あるいは「冷たい」という感覚。

冷え性で足がよく冷えるという方にとっては、

その冷えている感覚があるところは間違いなく自分の足だと感じられます。

逆にのぼせやすい人だと、頭や顔の温かい感覚によって、

それが自分の頭や顔だとハッキリわかるでしょう。

 

3つ目としては、「痛み」が挙げられます。

例えば胃腸の調子が悪い時、普段よりもはっきりと胃の存在を感じますよね。

腰やひざが痛くても、同じことが言えます。

 

最後に挙げられるのが、「力み」の感覚です。

上の3つ以外(視覚も除く)で自分の身体を感じる最も確か(だと思える)手掛かりが、

「力が入っている」という感覚です。

おそらく私自身も含めたほとんどすべての人が、

この「力み」の感覚によって自分の身体を認識しているでしょう。

 

身体運動における手掛かり

その時々の状況によって優先順位は変わってくるにしても、

以上4つの手がかりによって、人は自分の身体を認識しています。

そして「運動」という場面においては、

「触れている」感覚と「力み」の感覚が主な手掛かりだといえます。

だから私たちが身体を動かす時には、

これら2つの感覚を動かそうとしているのです。

これではリラックスなんて出来るわけがない。

「肩の力を抜きなさい」

と監督やコーチに言われても出来ないのは、

「肩の力を抜けば、どこを動かしていいのかわからなくなるから」

なのです。

そして同じことが、「脱力」を修練している私自身にも言えるわけです。

 

「重力感覚による身体認識への移行」

残念ながら私たちは、刺激が無ければ自分の身体を認識することは出来ません。

光の刺激(視覚)や圧刺激(触れた感覚・力み感覚)、

痛みや熱といった刺激を感じることで自分の身体だと感じているわけです。

そこでこれら以外の刺激、しかもいつでもどこでも同じように存在する刺激があれば、

そしてその刺激を手掛かりとして身体を認識することができれば、

力むことなく合理的に身体を動かすことができるのではないかと考えられます。

その、なんとも都合の良い刺激こそ「重力」です。

少なくとも地球上にいる限りはいつでもどこでも同じように作用する重力。

この力を手掛かりとして自分の身体を認識すれば、

原理上、力むことは全く必要なくなります。

「下に引かれている感覚」自体を自分の身体だと感じられれば、

ただその感覚を動かせば身体が動くのですから。

そうやって動いた感覚は、

おそらく今までの運動感覚とは全く違ったものになるでしょう。

楽に軽々と動いているのに、ものすごい大きな力が発揮される。

「重力感覚による身体認識への移行」は、

私達の身体運動の次元を大きく変えてくれると期待しています。

 

 

P.S.

もっと多くの方に来て頂いて、
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このブログを読んで興味をお持ちでしたら、
ぜひ、ご連絡ください。

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脱力・練気武颯拳についての参考にコチラもどうぞ

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