道(タオ)の教え

tao

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「道(タオ)の教え」

について書きます。

 

ちなみにこのブログタイトルは、
練気武颯拳の宗師範による著書のタイトルです。

「道(タオ)」の教え―無為自然に生きる

というわけで今回は、
この本を読んで感じたことをお伝えします。

知っている人も多いとは思いますが、
「道(タオ)」とは中国の「道教」という宗教の言葉です。

「道教」について知らないという方も、
「老子」「荘子」という名前は聞いたことがあるでしょう。

そう、

「無為自然」

という在り方を提唱した人です。

とても響きの良い言葉ですよね。

「ロハス」とか、
「自分らしく」とかと同じように。

より簡単な言葉で言い換えると、

「あるがまま」

ということになるでしょうか。

そして私が修練している練気武颯拳においても、
目指すところはコレになります。

ところがこの本によると、
ここで問題がでてきます。

「あるがまま」

を目指すのはいいのですが、
そもそも私は、

「『あるがまま』がどういう状態なのか?」

ということについて、
「知らない」のです。

もちろん言葉自体は知っていますし、
それに対する「私の理解」はあります。

けれどもそれは、

「私がイメージしている『あるがまま』」

であって、

「あるがままの状態の『あるがまま』」

ではないということ。

私の思考というフィルターを通した時点で、

「『あるがまま』そのもの」

ではなくなっているのです。

それはあたかも青いレンズのサングラスを掛けると、
見えるものすべてが青みがかって見えるように。

私の思考というフィルターを通して認識したものは全て、

「私色に染まっているw」

のです。

これは大きな問題です。

「あるがまま」を目標として修練しているにもかかわらず、
その結果は「自分の思考」の方に進んでいるのですから。

だから武颯拳の修練は、
ただ闇雲に数をこなしても上達しません。

「自分のイメージ」には近づくかもしれませんが、
「あるがまま」からは離れてしまうのです。

ではどうすればいいのか。

この本には次のように書かれています。

「『あるがまま』とは、

自分の観念的な思考を含まずに、

全ての現象をそのまま、

ありのままに見て、

感じて、

行動するということです。

それは、

自分の過去の記憶、

経験から自由であるということを意味しています。

つまり、

過去に束縛されない、

影響されないということです。」

「とはいっても、

それがどのような状態なのかはわからないと思います。

それは、

みなさんが思考するからです。

自分の考えの中にある、

『ありのまま』をイメージしようとするからです。」

「思考を捨てなければなりません。

思考を停止させることが必要なのです。

思考を停止させることを怖がったりする必要はないのです。

思考を停止させても、

あなたは充分に機能できます。」

(以上、引用終わり)

私自身、修練における上達の問題を痛切に感じていたところ、
この本に出会いました。

「思考を停止させる」

とは、

「無の境地」

に通じるものであり、
禅や密教の修行をする人が追い求め続けているものです。

ですからそう簡単に出来るようにはなりませんが、
この本を読むことで少なくともその必要性は理解できます。

こうやって書いている私自身、
改めてその必要性について納得することができました。

このブログを読んで下さるあなたにも、
ぜひ一度手に取ってもらいたいと思います。

(絶版のため中古しかなく、しかも高い!!のですが…)

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相手の立場に立つ

相手の立場に立つ

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「相手の立場に立つ」

ということについて書いていきます。

私はこれまで、
この言葉があまり好きではありませんでした。

なんとなく相手に気を使ってばかりの、

「弱いイメージ」

しかなかったからです。

けれども本当は、
そうではなかったのです。

「相手の立場に立つ」

ことは結果として、

「自分が強くなる」

ということに気づいたのです。

以下、その理由について書きたいと思います。

前回の記事、

「カラダに働くテコの原理」

において、楽に大きな力を発揮するためには、
無意識に設定しているテコの原理を変えること、

つまり、

「見方を変える」

ことが必要であると書きました。

けれどもこれが、
意外に難しい。

それは、

「自分が何かをする」

という状況においてはすでに、

「テコの設定は終わっている」

から。

何かをしよう、動かそうと思った時にはもう、
どのように動くかは決めてしまっているのです。

そしてそのタイミングで違う動きをしようと思っても、
一度決めたことを変えることは難しい。

結果としていつもの自分と同じ動きか、
それよりもぎこちない動きになってしまいます。

そこで役に立つのが、

「相手の立場に立つ」

という考え方です。

これはみなさん、
子供のころから繰り返し言われてきたと思います。

そう、

「自分がされて嫌なことは、他人にもしない」

というやつです。

ですが武術の修練では、
これと逆のことをします。

例えば手首を両手でつかまれて、
それを上に挙げるという場合。

同じような体格の場合、
普通に動くと腕を挙げることは難しいです。

そこで一度、

「相手の立場に立つ」

ということをやってみるのです。

手首を両手で掴まれた状態で、
意識だけ自分の手首を掴んでいる側に回ってみる。

そして、

「こんな風に動かれたら押さえられないな」

と感じる通りに自分の身体を動かす。

すると思ったよりも楽に、
腕を挙げることが出来るようになります。

そして人によっては、
最初に自分が腕を挙げようとした動きとは、
随分違う動きになることに気づくのではないでしょうか。

この「違う動き」こそが、
「合理的なテコ」を使った動きなのです。

相手の側に立つことで自分の「思い」を外すことが出来た結果、
「不合理なテコ」から「合理的なテコ」へと設定しなおすことができる。

このように、自分の思い通りにやろうとすると上手くいかないことが、
相手の立場に立つと上手くいく。

武術で言えば、自分勝手な技ではなく、
本当に相手に効く技になるわけです。

これって、

「強い」or「弱い」

のどちらになりますか?

私はこれが、

「強い」

ということだと思います。

日々生活していると、
本当に様々な状況に直面します。

その状況の中で、
自分の「思い」だけで判断するのではなく、

「状況の側から自分を見る」

つまり、

「相手の側に立つ」

ことで、
よりその場に合った判断が出来るのではないでしょうか。

ただこのような「気持ち」とか「考え」といった、
きわめて「主観的」なことというのは、

「本当に出来ているかどうか」

の判断が非常に難しいです。

ハッキリ言ってしまえば、

「出来た気になりやすい」

のです。

そこで、そのトレーニングに最適なのが、
武術修練だと言えます。

カラダを使ってチェックをしながら行うことで、

「出来た気になる」

という落とし穴にはまらずに済むのです。

というわけで、

「相手の立場に立つための武術修練」

やってみませんか!?

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「カラダに働くテコの原理」

ハンマー

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「カラダに働くテコの原理」

について書いていきます。

現時点で私が理解している、
武術の技の基本的な原理は次のようなものになります。

「重力をテコの原理で増幅・変換して扱う」

例えば前に伸ばした腕を相手につかまれて、
それを下に落とすという場合。

普通の動き方をすると、
相当な力の差が無い限りは落とすことが出来ません。

けれども見方を変えて、
自分の身体を落とすように使えば、
意外と楽に腕を落とすことが出来ます。

これを例えて言うなら、
巨大なヘッドの付いた柄の長いハンマーを、
いきなり相手に持たせるイメージ。

突然こんなものを持たされたら、
よろけてしまいますよね。

それはハンマーの重さだけではなく、
柄の長さによるテコの原理が働いているから。

同じように、つかまれた自分の腕を落とす時でも、
腕の長さによるテコが働くように身体を落としていく。

すると相手は重心を崩されるので、
腕を支えることが出来なくなるのです。

このように、自分の体重(≒重力)を力点とし、
作用点と支点が相手側にあるようなテコを働かせることで、
技がかかりやすくなります。

ちなみに支点を作用点よりも遠くに置くと下げる力に、
近くに置くと上げる力になります。

以上が、

「カラダに働くテコの原理」

の簡単な説明になります。

ただしこれは、
私が理解している程度の話。

武術本来のカラダの使い方から見れば、
ごくごく初歩に過ぎないでしょう。

けれどもこんな初歩的なことでさえ、
私自身これまでの習慣が邪魔をして、
当たり前に使いこなすことが出来ません。

いちいち見方を切り替えないと、
「不合理なテコ」を使おうとしてしまうのです。

ところがこの「見方を切り替える」ということが、
理解はしてもなかなか実践できません。

そこで次回は、

「見方を変えるための考え方」

について書きたいと思います。

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発勁(沈墜勁)のイメージ

発勁

 

こんにちは、ワタルです。

久しぶりのブログ更新となる今日は、

「発勁(沈墜勁)」

という、いかにも武術らしいテーマで書きます。

神戸修練会における最近の修練では、

「押さえられた骨盤を動かす」

ということを繰り返し行っています。

仰向けに寝ている状態で上から骨盤を押さえられると、
普通に動こうとしても簡単には動けません。

そこで必要になってくるのが、

「骨盤と肋骨がバラバラに分かれて動く」

ことなのです。

その為には骨盤と肋骨の間の部分が、
脱力して緩んでいることが重要です。

お腹や腰周りの力を抜いて、
押さえられていることに関係無く動く。

何度も繰り返し練習することで、
骨盤をより自由に動かせるようになってきます。

そして骨盤が自由に動く状態になると、

「腰を落とす」

という言葉の意味がわかってくる。

私が修練を始めた当初から、

「股関節を抜いて腰を落とすことが発勁の基本」

だと教えられてきました。

たしかに腰を沈めるように動かすことで、
普段よりも大きな力を出すことは出来ます。

けれどもそれはあくまで、

「腰を沈めただけ」

であり、

「発勁」

とは程遠いものです。

しかし肋骨と骨盤の間が十分に緩めば、
話しは違ってきます。

腰は「沈める」のではなく「落とす」のです。

それをあえてイメージで説明すると、
次のようになります。

何か、重たい荷物を思い浮かべてください。

あなたはそれを、紐でくくって持っています。

少し紐が長すぎて持ちにくいので、
手元で紐を束ねるようにして持ちました。

ところが手が滑って、
紐が一気に伸びて重たい荷物が落ちる…。

仮にこの荷物が60kgあったとしたらどうでしょう。

それを支えるのは相当大変ですよね。

60kgの荷物を持ち上げるのと、
落ちてくる60kgの荷物を受け止めるのでは、
その負荷は全く違ったものになります。

この、紐でくくった荷物が落ちるように、
自分の腰を落とすのです。

この時に生じる力を、
腕や脚に伝えて使う。

それが、

「発勁(沈墜勁)」

だと言えます。

私自身はまだまだ自由に腰を「落とす」とまではいきませんが、
正しい修練を続ければそれが出来るようになると、
ハッキリと確信しています。

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仮説:パーキンソン病と脱力

 

こんにちは、ワタルです。

久しぶりのブログ更新となる今回は、

「パーキンソン病と脱力」

というテーマについて書こうと思います。

パーキンソン病の患者さんは、
平成20年時点で約13万9000人いると言われています。

これは難病指定されている疾患の中で、
潰瘍性大腸炎に次いで多い数字だとのこと。

そして現在、私も同病の患者さんを一人、
治療させてもらっています。

治療を始めたのは3カ月ほど前で、
治療頻度は2~3週間に1回のペース。

治療の効果に対する印象としては、
良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、
全体として症状は改善に向かっているというところです。

鍼灸学校の学生時代に、
同病の患者さんを診せて頂く機会はありました。

けれども実際に仕事として治療にあたるのは、
今回が初めてです。

ですからまずは、
パーキンソン病についての勉強からやり直しました。

何冊かの本を読んだのですが、
病気そのものについて一番わかりやすかったのはこの本。

病気の原因や症状だけではなく、
脳のはたらきについての説明にも大きくページを割いているので、
パーキンソン病がどういう仕組みの病気なのかが分かりやすいです。

これらの本によると、
パーキンソン病とは、

「中脳黒質の変性によるドーパミン不足を原因とする、

随意運動に対する過剰な抑制である」

と言えます。

言葉だけでは分かりづらいと思いますので、
簡単な図を載せます。
(クリックすると拡大されます)

こちらが一般の運動における、
主動筋と拮抗筋のはたらきです。

拮抗筋のはたらき

 

対してこちらはパーキンソン病における、
主動筋と拮抗筋のはたらきです。

 

拮抗筋のはたらき(パーキンソン

一般の運動とパーキンソン病の運動における違いは、

「拮抗筋による抑制の強度の違い」

だと言えます。

もう少し詳しく書くと、
パーキンソン病による「運動の抑制」は、
「大脳からの運動の指示」を抑制するのではなく、
「関節の運動そのもの」を抑制しているのです。

これは、

「固縮(筋強剛)」

というパーキンソン病の4大症状の一つが、
端的にあらわしています。

なぜなら「大脳からの運動の指示」そのものを抑制しているのであれば、
筋肉は「収縮」ではなく「弛緩」するはずだからです。

けれどもパーキンソン病の症状は、
筋肉が収縮して動きづらくなるもの。

ということは、「大脳からの運動の指示」は出ているけれども、
その「指示」の内容に「違い」があると考えられます。

そしてその「指示」「違い」とは、

「拮抗筋への収縮指示の大きさ」

だと言えます。

一般的な運動においても、
上の図のように拮抗筋は収縮します。

けれどもそれは、
急な動きが身体に対して与える負担を軽くするためのもの。

実際の運動を止めてしまうほどのものではありません。

しかしパーキンソン病の場合は、
拮抗筋への収縮の指示が必要以上に大きくなります。

それが、自分の意図した運動を止めてしまうほどにまで。

さらにこの「拮抗筋への収縮指示」は、
自分が意図した場合以外にも出される場合があります。

それは、筋肉の機能として存在する(とされている)、
「予備緊張」に伴うものです。

この「予備緊張」は、
普段から意図しない状態でも行われている筋肉の緊張です。

そして筋肉の緊張とは、
自覚の有無にかかわらず脳や神経からの指示を必要とします。

つまり無自覚の状態で出している筋肉への指示に付随して、
拮抗筋への収縮指示も出てしまう。

これがパーキンソン病のもう一つの4大症状である、

「安静時振戦」

の正体だと私は考えています。

つまり、

「固縮」「安静時振戦」

とは別の症状ではなく、

「拮抗筋への過剰な収縮指示」

という同じ症状の別の側面だと考えられるのです。

そしてこの症状を生み出しているのが「ドーパミン不足」であり、
一般的な治療はドーパミンを薬剤によって補う方法を取ります。

もちろんこれは即座に効果を発揮します。

足りないドーパミンが補われると、
拮抗筋への過剰な収縮指示は軽減されます。

けれども補われたドーパミンが無くなれば、
また同じ症状がでます。

それに長期間の投薬には、
「ウェアリングオフ」という薬が効かなくなる現象もあらわれます。

そこで、なのです。

前置きが長くなりましたが、
「パーキンソン病」のリハビリとして「脱力」が有効であるという、
私の仮説を聞いていただきたいのです。

長い長い前置きで私が言いたかったことは、

「パーキンソン病の主な症状は、

拮抗筋への過剰な収縮指示によって起きる。

そしてその収縮指示は、

主動筋への収縮指示に伴って出される。」

ということです。

ということは、

「主動筋への収縮指示が減れば、

拮抗筋への収縮指示も減る」

とは考えられませんか?

「主動筋への収縮指示」こそが、
パーキンソン病の症状があらわれる「トリガー」なのです。

そして「脱力」とは、
その「トリガー」を引かなくなるということ。

なぜなら「脱力」とは、
筋肉の収縮を減らしていくことだから。

拮抗筋のはたらき(脱力)

そしてさらに「脱力」が進んでいけば、
「運動」のメカニズムが変化していきます。

一般的な運動においては、
「筋肉への収縮指示」が運動のスタートです。

けれども「脱力」においては、
「筋肉を緩める指示」が運動のスタートなのです。

この「運動メカニズムの転換」が進むほど、
パーキンソン病の症状は出にくくなる。

つまり、

「脱力はパーキンソン病のリハビリに最適である」

ということが、
ここで私が言いたかったことです。

もちろん勉強不足であることは自覚しておりますので、
皆様の感想、ご意見をお待ちしております。

P.S.

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腰痛を治すために必要なこと

ストレッチ

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「腰痛を治すために必要なこと」

というタイトルで書いていきます。

治療を受けにくる患者さんの多くが訴える腰痛。

そんな腰痛に悩む方に共通するのが、

「股関節周りの緊張」

であることは、
以前にも書きました。

ですが今回は、

「そもそも腰はなぜ痛むのか?」

ということに焦点を当てたいと思います。

最初に結論を言うと、

「腰を『自分』だと思っていないから」

ということになるのですが、
それがどういうことなのか説明が必要ですよね。

そこでストレッチを例に挙げてみましょう。

座って脚を広げて、
上半身を前に倒していく。

 

上の写真の形です。

もう少し柔らかいと絵になるのですが、
そこは勘弁してくださいw

ともかくこういう形を取ったときに、
カラダの柔らかい人と固い人がいるわけです。

では、柔らかい人と固い人では、
一体なにが違うのか。

もちろん幾つかの違いが考えられますが、
大きな違いの一つに、

「動かす場所が違う」

というものがあります。

このストレッチの形で言えば、

「どこから身体を倒しているか」

が違うのです。

カラダの柔らかい人は、
「股関節」から上半身を倒していきます。

それに比べてカラダの固い人は、
「頭」「腕」を前に出そうと頑張ってしまいます。

そこでもう一度、
上の写真を見てください。

このストレッチにおいて、
本当に動かしたい場所はどこですか?

どこが動くことが、
上半身を前に倒すことに最も効果的ですか?

そうですよね、
「股関節」ですよね。

ということは、

「股関節を動かす」

ということが、
このストレッチの目的になるはずです。

であれば、

「股関節を動かして上半身を倒す」

という運動をするべきなのです。

ところがカラダの固い人は、

「頭や腕を前に出すことで上半身を倒す」

という全く逆のことを行ってしまいます。

だから、思ったように上半身を倒すことが出来ないのです。

筋力を主体とした一般的な運動において、
頭や腕を動かす時に必ずやってしまうことがあります。

それは、

「体幹を固めて土台として扱う」

ということ。

つまり頭や腕を動かそうとすればするほど、
上半身を倒すことが難しくなるのです。

それにもかかわらずなぜ、
頭や腕を動かそうとしてしまうのか。

それは、

「頭や腕を自分だと思っているから」

です。

言い換えると、

「腰や股関節を自分だとは思っていない」

ということになります。

実際、武颯拳の修練中に、
股関節を動かして技を掛けたとします。

この時多くの人が口にするのは、

「自分でやった気がしない」

という感想です。

股関節や腰といった中心からの動きで技をかけると、
腕を意図的に動かす必要がありません。

そのため、

「頭や腕を動かすこと=自分が動くこと」

だと認識している人にとっては、
自分が技を掛けたと感じられないのです。

けれどもカラダの中心に意識を向ける修練を続けるうちに、
その技を自分が掛けたと実感できるようになります。

それは股関節や腰を、
自分だと認識できるようになってきたから。

そして認識が深まるにつれて、
よりカラダの中心から動くようになるのです。

つまりカラダの固い人にとって必要なことは、
股関節や腰を「意識する」ということ。

繰り返し意識することで、
股関節や腰を「自分」だと感じられるようになってきます。

そうなれば、そこから上半身を倒すようになり、
その結果カラダは柔らかくなるのです。

話しが長くなりましたが、
同様のプロセスが腰痛の改善にも必要なのです。

腰痛を訴える人はほとんどの場合、
自分の腰に意識を向けることが苦手です。

あるいは土台として固める感覚を、
腰の感覚として意識しています。

けれども腰を自分だと認識して緩められれば、
腰痛は必ず改善します。

つまり、

「腰痛を治すために必要なこと」

とは、

「腰を『自分』だと認識して緩めること」

なのです。

もちろんそれは、
ただ言葉で言っても理解できるものではありません。

けれども武颯拳の修練を行うことで、
必ず理解できるようになります。

武颯拳は武術という形を取りますが、
このように身体の調子を整えることにも、
とても大きな効果を発揮します。

ぜひ、一緒に修練をしましょう!!

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ピンとくるものがあれ

カラダを緩めれば、ココロも緩む

カラダとココロ

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「カラダを緩めれば、ココロも緩む」

というタイトルで書いていきます。

 

カラダとココロの関係を、
武術と東洋医学の両面から考えてみました。

では早速、本題に入ります。

私が武颯塾で修練を始めた頃からずっと言われ続けていること。

それが、

「心で心を変えることは難しい。
だから、身体を変えることで心を変えましょう。」

ということです。

そしてそのために、力を抜くための修練を続けてきたわけですが、
最近になってようやくこの言葉の意味が分かるような気がします。

今年に入ってからの武颯塾の修練では、
両脇を持ち上げられた状態で体幹を緩めることに取り組んでいます。

この両脇を持ち上げられるという修練自体は、
私が参加するずっと以前からあるものです。

けれども今年の取り組みにおいて、
あらためてこの修練の「効果」を感じているところです。

その、感じられる「効果」こそ、

「カラダを緩めれば、ココロも緩む」

という「実感」です。

そう、今までは言葉としてアタマでは理解したつもりでも、
本当の意味で「実感」してはいなかったのです。

けれども今年の取り組みによってそれを「実感」したことで、
それをこうやって自信をもってお伝えできるようになりました。

この両脇を持ち上げられるという修練においては、
主に脇の下から脇腹へと緩めることになります。

この、脇の下や脇腹といった身体の側面は、
普段の生活や運動において意識されにくい部分です。

さらには一般的な運動においては、
腕を動かす時の「土台」として使われます。

その為ほとんどの人が、
ここを強く固め続けたままになっているのです。

それがなぜいけないのかというと、

「イライラする」「腹が立つ」

といった、

「怒り」

の感情を呼び起こすからです。

「脇腹の硬直」「怒り」の感情は、
一見何の関係も無いように思えるかもしれません。

けれども少しでも東洋医学を勉強したことがあれば、
そこには密接な関係があることを理解できます。

東洋医学における症状の一つに、

「胸脇苦満(きょうきょうくまん)」

と言うものがあります。

これは読んで字のごとく、

「胸から脇腹にかけての張りを感じて苦しい」

というものです。

経絡で言えば、

「肝経」および「胆経」

の病症ということになります。

ちなみに東洋医学には、

「五行色体表(ごぎょうしきたいひょう)」

というものがあります。

それは人のカラダやココロと自然界の事物についての、
さまざまな関連性についてまとめた一覧表。

そんな「五行色体表」において、
これら二つの経絡がつかさどる感情は、

「怒り」

です。

つまりこの「胸脇苦満」は、

「ストレスによる怒り」

が最大の原因で起こる症状なのです。

そして、治療や修練で多くの人の身体に触って感じることは、
ほとんどの人が「胸脇苦満」と言えるくらい脇腹が固いということ。

それはつまり、意識の有無にかかわらず、
「怒り」を抱えた状態だと言えるのです。

そんな「胸脇苦満」に対する鍼灸の治療方法は、
「気の流れ」を良くするというものです。

これを「疎通経絡」というのですが、
主に「肝経」「胆経」に鍼を打ちます。

そして「肝経」「胆経」はいずれも体幹においては、
脇腹をとおります。

つまり「胸脇苦満」の治療とは、
「脇腹の通りをよくすること」だと言えるのです。

これは観方を変えると、

「怒りによって固くなった脇腹を緩めて、
怒りを鎮めている」

と捉えられます。

ということはつまり、

「脇腹を緩めれば、怒りは鎮まる」

ということ。

実際、両脇を持ち上げられる修練をすると、
何とも言えない気持ちよさを感じます。

カラダが気持ち良いだけではなく、
清々しい気分になるのです。

そして気づくのが、
いかに自分がくだらないことに腹を立てているのかということ。

けれども脇腹を緩める修練を続けることで、
そんな自分を変えていける。

「カラダを緩めれば、ココロも緩む」

今ではそう確信しています。

P.S.

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神戸市卓球選手権大会 優勝!!

卓球

 

こんにちは、ワタルです。

昨日は修練に来たIさんから嬉しい報告を頂いたので、
ここで書きたいと思います。

それがタイトルの、

「神戸市卓球選手権大会 優勝!!」

です。

しかもなんと、
シングルスとダブルスの2冠。

ダブルスはペアの方が強いと聞いていたし、
これまでにも幾つかの大会で良い成績を残していました。

けれども今回はそれに加えて、
シングルスでも優勝。

出場9回目にして初の快挙だそうです。

初めてIさんが修練に来てから、
もう2年半ほどが経ちます。

最初の3カ月ほどで修練の効果が出てきて、
それが成績にもつながりました。

ところがその後1年ほど、
思うような結果がついてきませんでした。

それはおそらく「脱力」による運動と、
これまでの動き方とがせめぎ合っていたのでしょう。

こういう状況になると多くの場合、
今までの動き方に戻そうとします。

一時的な成果を求めるのであれば、
慣れ親しんだ動きの方が結果が出やすいですから。

けれども「脱力」を学び始めたそもそもの理由は、
そこに行き詰まりを感じたから。

そして「脱力」による運動が合理的だと、
少なくとも理屈においては理解したからでしょう。

であるならば、
結果が出ない期間をなんとかして乗り越えればいい。

それは本当にツラく大変なことだと思います。

けれどもその期間を乗り越えると、
大きな成長を手にすることが出来ます。

実際、最近の修練におけるIさんの理解は、
これまでに比べて大きく進んできました。

それは、脱力修練が卓球の競技力向上に役立つと、
より深い確信を得たからでしょう。

共に脱力を修練する仲間として、
Iさんの今後が本当に楽しみです。

最後になりましたが、Iさん。

「神戸市卓球選手権大会2冠、
本当におめでとうございます!!」

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「腰痛」「膝の痛み」を治す

腰痛

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「『腰痛』『膝の痛み』を治す」

というテーマで書いていきます。

ある程度の年齢を重ねた人達の治療をしていると、
ほとんどの人が訴える症状。

それが、

「腰痛」「膝の痛み」

です。

確かにこの2つの症状を東洋医学的に見ると、
加齢とともに起こりやすくなるものだと言えます。

もちろん西洋医学の見地からも、

「軟骨がすり減る」

などの理由により、
ある程度仕方ないものとして扱われています。

「まあ、歳だから仕方ないよ」

というセリフをお医者さんから言われた方、
とても多いです。

けれども、
本当にそうなのでしょうか?

「腰痛」「膝の痛み」は、
歳を取ったら諦めなければいけないものなのでしょうか?

私はそうは考えていません。

「腰痛」「膝の痛み」も、
「正しい身体の使い方」を身に付けることで、
かなりの割合で治ると考えています。

その「正しい身体の使い方」とはどういったものかというと、

「身体を流体として扱う」

というものです。

人の身体は60%から70%が水分でできています。

イメージするなら、

「水の入った袋に骨が浮かんでいる」

という姿が、
本来の身体の在り方なのです。

けれども多くの人は、
自分の身体を「固体」として扱っています。

そして「腰痛」「膝の痛み」を訴える人は、
必ずと言っていいほど「股関節」が固くなっています。

かくいう私自身、サッカーをしていた中学生のころから、
「膝の痛み」に悩まされてきました。

けれどのその痛みは、
武颯拳の修練を始めてからしばらくすると、
ほとんど感じることが無くなっていました。

では、修練を始める前と後では、
何が違っていたのか。

修練を始めるまで私は本当に身体が固かったので、
柔軟体操の時間が大嫌いでした。

なのに当時の武颯拳の修練では、
30分以上もの時間を柔軟体操に使っていたのです。

しかもそれを二人組になって行うので、
かなりの痛みを伴います。

その時間があまりにもツラいので、
私は毎日、柔軟体操をするようになりました。

すると少しずつ身体も柔らかくなり、
それに伴って膝の痛みも無くなっていったのです。

つまり、修練を始める前と後での違いとは、

「股関節の柔らかさ」

だと言えます。

皆さんもご存じのとおり、
「股関節」「腰」「膝」の間にあります。

「腰痛」「膝の痛み」を訴える人は、
「股関節」が固くなっていて、
クッションの役割を果たしていません。

ですから地面からの衝撃を、
「腰」「膝」でそのまま受け止めてしまうのです。

けれども「股関節」が緩んでくると、
その衝撃を吸収してくれるようになります。

その結果、

「『腰痛』『膝の痛み』を治す」

ことにつながるのです。

ただ、「股関節を緩める」という感覚は、
なかなか自分一人では掴みづらいものです。

ですから、正しい指導やサポートを受けながら、
自分の身体と対話していくひつようがあります。

興味がある方はぜひ、
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カラダの身体をカラダに返す

 

あけましておめでとうございます、ワタルです。
今年もよろしくお願いいたします。

2014年最初の記事は、

「カラダの身体をカラダに返す」

というタイトルで書いていきます。

こうやって文字にして書いても、
意味が分かりにくいですよね。

これは以前に武颯塾の茂呂師範より、

「身体は誰のもので、誰が動かしているのか?」

という問いかけを頂いたことに対する、
現時点での私の考えになります。

最近の修練では、

「歩く」

という最も基本的な動作について、
様々な形で負荷を掛けながら行っています。

上手くいくこともあればそうでないこともあるのですが、
その中で少しずつ確信を深めていること。

それが、

「この身体を動かしているのは、『私』ではない」

ということなのです。

例えば4人で、
前後左右から腕を押さえられたとします。

その時に4人を引っ張って歩こうとしても、
とても歩けるものではありません。

もちろん自分の身体だけを前に進めようとしても、
ガッチリと押さえられていれば動けません。

けれども「ある感覚」になると、
不思議なくらい簡単に歩くことが出来ます。

この時の感覚を言葉にすると、

「カラダが身体を動かしている」

という感じが最も近いのです。

私がどれだけ、

「ここをこうやって動かそう」

として頑張っても動かないものが、
カラダが身体を動かすことに任せられれば、
あっけないほど楽に動くことが出来る。

このことから理解できることは、

「『私』が身体を動かしてはいけない」

ということなのです。

『私』が身体を動かそうとすることが、
身体本来の合理的な動きを邪魔してしまう。

ですからこの身体を動かすことから、
『私』は手をひかないといけない。

「私の身体」だと思っていたこの身体を、
「カラダ」に返す必要があるのです。

「カラダの身体をカラダに返す」

これが私の今年の目標になります。

今年もよろしくお願いいたします。

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