前々回の記事、
では、僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋の脱力による、
肩甲骨を外下方への落下を初動とするやり方について書きました。
落下した肩甲骨が肘の下へと滑ることで、
腕に掛かる相手の重さを肩甲骨で支えられます。
その関係性を変えることなく広背筋を脱力によって広げ、
肩甲骨が前に滑ることで掴まれた腕を挙げるというものです。
このやり方は腕の使い方を変えるという意味では、
効果的なトレーニングだと考えています。
繰り返し行うことで、
肩に負担の掛かりにくい動き方が身に付きます。
ただ、もちろんこれで完成というわけではありません。
そこで今回は第2弾ということで、
座った状態から腕を挙げる方法を研究してみました。
一般的な合気上げと呼ばれるものとの大きな違いは、
腕を挙げる側が相手の手首を掴んでいる点です。
これには手首の回転運動を使えるというメリットと、
手が力みやすいというデメリットの両方があります。
ただ実際に腕を挙げる動作においては、
手首を掴まれるよりも何かを持っていることが多いので、
今回は掴む形を採用しました。
動画にもキャプションを挿入していますが、
今回の一番のポイントは、
「重心に働く重力を感じながら腕を挙げる」
点にあります。
それによる効果は2つの側面から説明できます。
1点目は、身体に働く力を集約する効果です。
人の身体はいくつものパーツから成り立っていて、
それぞれに重力と抗力が働いています。
そして普通に身体を動かす場合、
それぞれが各個でバラバラに重さを支えています。
しかし重心の1点で落下ベクトルを感じることで、
地面から返ってくる抗力も1方向へと集約されます。
その集約された抗力を使って腕を挙げれば、
普段よりも強い力を出せるのです。
2点目は、思考モードから感覚モードへの変化です。
人の身体は面白いもので、
意識を向ける対象が変わると、
身体の状態も大きく変わってしまうのです。
動画のようなシチュエーションにおいては普通、
「どうやって相手を動かそうか」
と頭で考えてしまいます。
実はこの時点ですでに思考モードに入っており、
意識の対象が現実ではなく自分の思考に向いているのです。
しかし重心に働く重力は、
実際に身体に働く現実の力です。
そこに意識を集中させることで、
思考モードから感覚モードへと身体が変わります。
自分の思考ではなく、
現実の力に対応するための身体状況になることで、
普段よりも大きな力を発揮できるのです。
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