力を抜くとパフォーマンスが落ちるのか!?

力を抜くとパフォーマンスが落ちるのか!?

こんにちは、ワタルです。

昨日の武颯拳の修練において、
ある人からこんな質問を受けました。

「脱力修練をすることで筋トレやランニングをやめると、
一時的にパフォーマンスが落ちるのは仕方ないことですか?」

力を抜く修練をしていると、
多くの人が同じ疑問を持つようです。

私自身も同じように考えたことがありました。

そこで今回の記事では、

「力を抜くとパフォーマンスが落ちるのか!?」

という疑問について、
分かる範囲で書いていきます。

まずは昨日の質問における、
「ランニング」と脱力との関係について整理しましょう。

ランニングの主な目的は、
「走る」という運動をより上手く行うことと、
心肺機能の向上により持久力をつけるということにあります。

脱力修練を正しく行えば、
走ること自体は上手くなりますが、
残念ながら持久力がつくとは言えません。

したがってランニングをやめてしまうと、
以前よりバテやすくなるのは仕方がないです。

競技としてのスポーツに取り組んでいる方であれば、
ランニングやそれに代わる形での心肺機能の維持は必須であり、
これを脱力修練で代替することは困難だと考えます。

※脱力修練をランニングに活かすことは当然可能です

続いて「筋トレ」と脱力修練との関係ですが、
「筋肉をそれぞれ個別に鍛える」という発想と脱力修練は、
基本的に相容れないものです。

それは以前の記事「身体のレバレッジを効かせる」で書いたように、
力を発揮するメカニズムが異なるからです。

もちろん負荷をかけた運動そのものに意味がないというのではなく、
あくまで別のメカニズムで動いているということを言いたいのです。

したがってメカニズムを入れ替えた人にとっては、
例えばダンベルを挙げることも脱力修練として成り立ちます。

ですがそうではないほとんどの人たちにとって、
筋トレは脱力修練を阻害するものになってしまうのです。

ただ、これまで筋力をベースとして動いてきた人については、
いきなり力を抜くように言われると、
思ったように身体を動かすことが出来なくなります。

ボールを蹴る、打つといったある目的に対して、
これまでは半ば自動的に行ってくれていた運動を、
一から見直そうというわけですから。

それが結果として、

「パフォーマンスが落ちた」

と感じさせるのでしょう。

しかし正しく脱力修練に取り組めば、
それが勘違いであることは、
少なくとも理屈の上では理解できるはずなのです。

それが難しく感じてしまうのは、

「力を抜く=フヌケになる」

という先入観が根強くあるから。

それは言い換えると、
「筋力」「意志」とがごちゃ混ぜになっているということ。

「筋力」をやめたからといって、
「意志」までやめる必要はないのです。

余計な「筋力」をやめて、
「意志」そのものが働いている状態。

この状態こそが、
純粋に「動く」ということなのです。

つまり、

「力を抜く=思い通りに動く」

のだと言えるのです。

(これを実感する方法としては、
例えば「指一本で人を動かす」といった、
「今までの感覚では出来そうにないこと」
が役に立ちます。)

このことが理解できると、

「力を抜くとパフォーマンスが上がる」

のは当然のことだと感じられるようになります。

なぜなら、
より思い通りに動けるようになるのですから。

もちろん修練の中では、
思い通りにいかないこともたくさんあります。

「筋力」「意志」を分けることも、
ある程度の時間と労力が必要でしょう。

ですが、これまで「筋トレ」に使っていたそれを、
思い切って脱力に振り向けてみればどうでしょうか。

もちろん理屈の上でも納得した上で。

今まで限界だと思っていたところが、
実はそうではないということに、
きっと気づけると思いますよ♪

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