脱力によって期待できる効果(その4、続き)

脱力によって期待できる効果(その4、続き)

あなたが立っている時に、
あなたの体重を支える場所。

どれだけ力いっぱい踏ん張って立っていても。
どれだけリラックスして楽に立っていても。

二本の足で立つという姿勢を取っている以上、
あなたの体重は足の裏を通って「地面」が支えてくれているのです。

ところが、膝や腰に力を入れて立ってしまう。
頭の重さを、首や肩の力で支えてしまう。

支えなければ立っていられないという、
勘違いをしているのです。

あるいは頑張って立つことが、
しっかりと立つことだと思い込んでいるのです。

そうやって自分で支えて立とうとすると、
身体はそれに合わせた姿勢になります。

その一つの例が、
いわゆる「猫背」と呼ばれる姿勢です。

「猫背」になることで頭の位置を足裏の接地面から外して、
首や背中で支えないと立てないような姿勢にわざわざなっているのです。

もちろん本人にその自覚はありません。
むしろ「楽」だと感じている場合が多いです。

確かに胸やお腹の力は抜くことができますから。
でもそれは、首や背中にその分の負担を押し付けているだけなのです。

そういう意味において結局は、
自分で支えて立ってしまっていると言えます。

このような状態の人に「姿勢を良くした方が良い」といっても、
簡単には変えられません。

よほど姿勢を意識して生活を送っても、
多くの場合は腰などの別の場所で体重を支えるだけ。

それではせっかくの努力も報われません。

では、どうすればいいのか?

そう、力を抜けばいいのです。

自分がここで支えていると思っている場所の力を、
少しずつ抜いていく。

最初は「やっぱり立てない」という結果になるかもしれません。

でもそれは、
「力を抜いたら立てない」と思っているから。

繰り返しになりますが、
頑張っても頑張らなくても結局は地面が支えてくれているのです。

だから、足の裏から地面を感じながら、
力を抜いていけばいい。

力が抜けてくるに従って、
身体は自然と真っ直ぐになっていきます。

なぜなら、真っ直ぐに立っていないということは、
地面以外のどこかを使って支えているということだから。

そしてそれは、
首や肩、背中、腰、膝の負担を取り除くことでもあります。

ツラい部分の負担をやめていくことが、
真っ直ぐに立つということなのですから。


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