こんにちは、ワタルです。
先日の武颯塾大阪支部における集中修練で、
面白い発見がありました。
それが今回のタイトルの、
「静寂に耳を傾ける」
というものです。
これは「間合い」の修練をすることで気づいたのですが、
スポーツや武道に普段関わりのない人にも役立つことだと思い、
ここに書きます。
ちなみにその「間合い」の修練とは、
「視野全体を意識し続けながら相手の攻撃を捌く」
というものでした。
実際の修練においてはそのバリエーションとして、
両腕をそれぞれ一人ずつに押さえられながら行ったりもしましたが、
それはあくまで負荷の程度の問題。
ここでの主眼は、
「刺激に対する反応の仕方」
にあります。
これはあらゆる武術や武道において、
例えば剣道などでは「目付」といい、
最重要視されている部分です。
私も子供のころは剣道を数年かじっていたのですが、
この「目付」については全く意味が分かっていませんでした。
もちろん私自身の理解力の問題もありましたが、
それを差し引いてもやはり難しかったのだと、
今になってみれば思います。
なぜならそれは相当意識的に修練しない限り、
変えようがないものだからです。
「刺激に対する反応」とは、
当然ながらオートマティックなものです。
それを変える修練というのは要するに、
「放っておくとこうなるよね」
という部分を変えようというわけです。
だから、相当意識的に行う必要があるのです。
修練の例で言えば、
ただ一時的に視野全体を意識することは、
ほぼ誰にでもできます。
ですがそこに相手が現れて、
自分に対して突きや蹴りを行えば話は別です。
よほど慣れた人でない限り、
どうしても相手の手や足に意識が集中してしまいます。
しかしここが、
この修練のポイント。
突きや蹴りという「刺激」に対して無自覚に行っている、
集中するという「反応」。
この修練の目的はこういった、
「刺激に対する反応の仕方」
を変えることにあります。
もしかすると一般的には、
このような反応の仕方が正しいと思われるかもしれませんね。
相手が突いてくるのだから、
その手に意識を集中させていれば大丈夫だと。
けれど、武術や格闘技の経験があればわかるのですが、
実はこのような状態では相手の攻撃を捌くことはできません。
それこそフェイントの一つでも入れられたら、
簡単に体勢を崩してしまいます。
だからこそ、
「全体を意識する」
ことが必要なのです。
この場合の全体とは、
「相手全体」ではありません。
あくまでも、
「視野全体」
を意識するのです。
すると不思議な感覚が湧きだしてくることがあります。
自分が意識的に行わなくても、
身体が勝手に相手の攻撃を捌いてくれるのです。
この、「勝手に動く」というところが、
脱力修練では大切です。
先にも書きましたが、
刺激に対する反応とはオートマティックなものです。
それを書き換えようというわけですから、
代わりに出てくる反応もオートマティックでなければいけません。
もちろん修練としては、
意識的に行う必要があります。
けれどもその結果としての反応は、
あくまでオートマティックなものなのです。
そのオートマティックな反応が、
実はその時の最善の動きになっている。
相手の攻撃を、
最小限の動きで無理なく捌いているのです。
しかしこのような状態は、
私の場合残念ながら長続きしません。
いつの間にか視野が狭まり、
相手の動きに意識が集中してしまっているのです。
それに気づいたらまた、
視野全体を観るようにする。
これを修練中に何度も何度も繰り返していました。
すると、面白いことに気づいたのです。
この感覚に近いものを、
以前にどこかで感じたことがあるなと。
後で気づいたそれは、
この本の一部に書かれていたことを試した時のものでした。
(以下、次回へ)
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