こんにちは、ワタルです。
久しぶりのブログ更新となる今日は、
「発勁(沈墜勁)」
という、いかにも武術らしいテーマで書きます。
神戸修練会における最近の修練では、
「押さえられた骨盤を動かす」
ということを繰り返し行っています。
仰向けに寝ている状態で上から骨盤を押さえられると、
普通に動こうとしても簡単には動けません。
そこで必要になってくるのが、
「骨盤と肋骨がバラバラに分かれて動く」
ことなのです。
その為には骨盤と肋骨の間の部分が、
脱力して緩んでいることが重要です。
お腹や腰周りの力を抜いて、
押さえられていることに関係無く動く。
何度も繰り返し練習することで、
骨盤をより自由に動かせるようになってきます。
そして骨盤が自由に動く状態になると、
「腰を落とす」
という言葉の意味がわかってくる。
私が修練を始めた当初から、
「股関節を抜いて腰を落とすことが発勁の基本」
だと教えられてきました。
たしかに腰を沈めるように動かすことで、
普段よりも大きな力を出すことは出来ます。
けれどもそれはあくまで、
「腰を沈めただけ」
であり、
「発勁」
とは程遠いものです。
しかし肋骨と骨盤の間が十分に緩めば、
話しは違ってきます。
腰は「沈める」のではなく「落とす」のです。
それをあえてイメージで説明すると、
次のようになります。
何か、重たい荷物を思い浮かべてください。
あなたはそれを、紐でくくって持っています。
少し紐が長すぎて持ちにくいので、
手元で紐を束ねるようにして持ちました。
ところが手が滑って、
紐が一気に伸びて重たい荷物が落ちる…。
仮にこの荷物が60kgあったとしたらどうでしょう。
それを支えるのは相当大変ですよね。
60kgの荷物を持ち上げるのと、
落ちてくる60kgの荷物を受け止めるのでは、
その負荷は全く違ったものになります。
この、紐でくくった荷物が落ちるように、
自分の腰を落とすのです。
この時に生じる力を、
腕や脚に伝えて使う。
それが、
「発勁(沈墜勁)」
だと言えます。
私自身はまだまだ自由に腰を「落とす」とまではいきませんが、
正しい修練を続ければそれが出来るようになると、
ハッキリと確信しています。
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