続・静寂に耳を傾ける

続・静寂に耳を傾ける

こんにちは、ワタルです。

今回も前回記事に続いて、

「静寂に耳を傾ける」

というテーマで書いていきます。

(まだ、「耳を傾ける」ところまでいかないのですがw)

前回の内容を一言で言えば、

「刺激に対する反応の仕方を変える」

ために、

「視野全体を意識する」

ということを修練したというものでした。

そしてその修練をすることによって感じられたものが、

に書いてあることを試したときの感覚とよく似ていた、
というところで終わっていました。

その書かれていた内容というのが、

「対象物の形を捉えるのではなく、
対象以外の空間の形を捉える」

という「ものの見方」についてでした。

ちなみにこの本は、

「絵を描くのが苦手な人が上手く描けるようになる方法」

について、著者のワークショップにおける経験と、
脳科学の知見をもとに書かれたものです。

その方法の一つとして取り上げられていたこの「見方」
対象を「ポジ」とすると対象以外は「ネガ」ということで、

「ネガスペースを見る」

という呼び方をしていましたが、
これが今回の修練とよく似ていると感じたわけです。

この本によれば、

「対象の形を正確に描こうとすると、
かえって歪んだ像を描いてしまう。

けれども対象以外の空間の形を描こうとすれば、
結果的に対象の正確な像を描くことができる」

とあります。

これは脳の認知メカニズムに問題があるためで、
一般的な見方をしていると抜け出しにくいもののようです。

何かを対象として認識したときに、
ただそのものをありのまま見ることは困難です。

そこには様々な観念がまとわりついていて、
結果として歪んだ姿を脳内に映し出す。

これはその対象に集中すればするほど、
起こりやすくなる現象です。

集中するほどに、
周りとの「関係性」が見えなくなる。

「木を見て森を見ず」

なんて諺もありますよね。

そころがその対象の周りの空間を描こうとすれば、
同様の歪みは起こりにくくなります。

対象を描こうとしている時点で、
そのものには自然と十分な注意を向けている。

だからあとは、
その周りの空間との関係性に注目する。

そうすることで、
対象本来の姿が浮かび上がってくるというわけです。

ところがこれは、
意識的に練習しなければできるようになりません。

なぜなら脳は無意識的にその空間を、

「意味のないもの」

として認識し、
情報をシャットアウトしているからです。

ネガスペースを見ようと意識すると、

「そんなところを見ても意味は無いよ!!」

と、しきりに声を上げるのです。

ですがその声に耳を貸さずに、
ネガスペースを見続ける。

すると、今までとは違った正確な絵が描ける。

ということが、

「左脳の声を無視して、右脳で描く」

という表現を用いて、
この本の最初の方に書かれていました。

話が長くなりましたが、
これと同じようなことが修練でも起きたわけです。

攻撃してくる相手に集中するのではなく、
その周り全体を意識する。

それによって相手の攻撃に対する、
「怖い」とか「痛そう」といった余計なノイズを無視して、

「ただ、手や足を突き出している」

という、

「ありのままの姿」

を見ることができるのです。

(以下、次回へ右矢印

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