合成重心を意識する

昨日は「支点」を意識するという話でしたが、
今日は「合成重心」というものを考えてみましょう。

私個人の感覚で言えば、
これはほぼ同じことだと感じられます。

「支点」を意識するためには、
「力点」と「作用点」を認識する必要があります。

同じように「合成重心」を意識するためには、
「自分」と「相手」を認識する必要があります。

「自分」だけでも「相手」だけでもダメで、
「自分」と「相手」を「全体」として意識できていることが、
いずれにおいても大切なポイントなのです。

勘違いしやすいのは、
ただ「自分」と「相手」の真ん中を意識するのではないということ。

同じように「支点」や「合成重心」の位置を認識していても、
そのベースとなる意識の範囲によって、
結果としての力や技は全然異なったものになります。

「相手」を知り、「自分」を知る。

どれだけ意識を広げられるか、
また、深められるかが結果を大きく左右するのです。

これは、武術だけに限ったことではありませんよね。

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「支点」を意識する

最近の修練で感じることの一つに、

「支点」

を明確に意識することの必要性があります。

今月の武颯塾の修練テーマが

「投げ」

であることがそれを感じている理由なのですが、
「支点」と「投げ」の間に一体どのような関係があるのでしょうか。

武颯塾で修練する「投げ」はほとんどの場合、
脚を掛けたり、腰にのせたりすることはありません。

なぜならそれは、
「脱力」していなくても投げられるから。

「脱力」が修練の基本であり目的でもある武颯塾においては、
そのような「投げ」では修練にならないのです。

というわけで、一般的な見方からすると、

「そんなやり方で投げられるわけがない」

と思えるような「投げ」を修練します。

もちろん今までの常識が頭に染みついているので、
いきなり上手くは出来ないです。

ただ、意識するポイントを明確にすることで、
修練の上達スピードは全然異なってきます。

そのポイントの一つとして、

「支点」

が挙げられるのです。

例えば何かを動かそうとするとき、
あなたはどこを意識していますか?

一番多くの方は、

「特に意識していない」

と答えるのではないでしょうか。

何かの身体運動に取り組んでいる方だと、

「動かす物の重心」

であったり、

「自分の中心」

と答える方もいらっしゃるかもしれません。

いずれも間違いというわけではありません。

何を動かすのかという、

「対象を明確化する」

ことも大切ですし、

どこから力を発揮するのかという、

「力源を認識する」

ことも重要です。

ただこれだとどうしても、

「自分」と「相手」

がいる関係になってしまうのです。

そこで一つの提案として、

「支点」

を意識してみてはどうかというわけです。

先の例で言えば、

「動かすものの重心」は「作用点」

となりますし、

「自分の中心」は「力点」

になります。

「作用点」を意識しすぎると「相手本位」に陥りがちですし、
「力点」を意識しすぎると「自分勝手」になりがちです。

そうではなくて、

「自分」と「相手」

の全体が動くときの、

「支点」

を感じるようにするのです。

そして、

「支点」

の相対位置を動かさないように動いてみてください。

やってみるとわかります。

今までとは全く違う種類の意識や感覚を感じられます。

この、

「今までと違う感覚」

を感じられることが、
脱力修練の醍醐味なのです。

自分の「感覚」が変わっていくことで、
同じような出来事の繰り返しに退屈することなく、
毎日を新鮮に感じることができるのです。

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脱力の勘違い

武颯塾の修練はすべて、
「脱力」を基本としています。

ですが「脱力」とか「力を抜く」というと、
ただ単にフッと力を抜くだけで相手を動かせると思ってしまいがちです。

もちろん修練が進んでいけば、

「何もしない」

ことが最良の結果を生むようになるのです。

武颯塾の修練は、

「元々できること」

を阻害しているものを取り去るだけなのですから。

しかし現実問題としてそこまで修練が進んでいない私たちの場合、
本気で抵抗する人を動かそうと思うとそう簡単にはいきません。

だからといって力を入れるわけでは当然ないのですが、
相手が倒れるにはそれ相応の「理由」が必要なのです。

例えばしっかりと掴まれた腕を、
持ち上げたり下したりするとします。

掴み方にっては、
相手の全体重がかかるような場合もあります。

それにもかかわらず腕の上げ下ろしをする際に、
どれだけ「何もしないか」が出来栄えの指標ではあります。

しかしそこが勘違いしやすいポイントでもあると思うのです。

たしかに目標は「何もしない」ということなのですが、
だからといって「何も起きていない」というわけではないのです。

相手の全体重がかかった腕を持ち上げるには、
それだけの「力」は発生していなければなりません。

それが筋力でないことは何度もお伝えしてきた通りなのですが、
では、いったい何が起きているのでしょうか?

修練において腕の上げ下ろしをする際のやり方の一つとして、
まずは身体を沈めたり立ち上がったりを行います。

もちろんその動作にも上手下手はありますが、
ただそれだけで「力む」必要はありませんよね。

普段しゃがんだり立ったりするだけのことを、
「力んでいる」とは言わないですから。

腕を持たれていても関係なくしゃがんだり立ったりが出来るようになると、
今度はそれを動かずに行うのです。

すると身体自体は動くことなく、
でも内側には同じだけの運動量が発生している状態になります。

この時に腕の力が抜けていれば、
全身が動くだけの運動量が腕に流れていきます。

なぜなら、人は「流体」だから。

人体の60%から70%は水分でできています。

そのため発生した力は「波」として、
身体の形を変えなくてもちゃんと伝わるのです。

つまり、

「全身を動かすだけの力」

が腕に流れているから、

「全体重をかけた相手」

も動かすことができるというわけなのです。

言葉にすると当たり前に思えることなのですが、
私自身が勘違いをしていたことなので、
あえてここに書こうと思った次第です。

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向上の形(ロンドンオリンピックを見ておもふこと)

ロンドンオリンピックが開幕して、
興奮で眠れない夜を過ごしている方も多いのではないでしょうか。

個人的には男女サッカーの活躍に、
メダルへの期待が高まっております。

ただ、普段の実力を出せずに競技を終えている選手も、
中にはいると思います。

そんな姿を見て、
そして自分の修練をかえりみても感じることがあります。

仕事、勉強、スポーツ、人間関係などのジャンルを問わず、
「向上」とか「上達」はある一定の形を取ります。

それは、こんな形です。

~脱力の極意を求めて~ 練気武颯拳&東洋医学でFreeな心と身体♪-向上の形

何の事だかよくわかりませんよねw

でも、意味はものすごく単純です。

努力とか練習とかを続けていると、
ある時ふと何か新しいものに気付きます。

その気づきによって一時はパフォーマンスが上がるのですが、
そのあと必ず、以前よりもパフォーマンスが落ちるのです。

このギャップは大きく、
何度経験しても気分の良いものではありません。

ですが、この「上がって落ちる」という経験の後、
新しい気付きは自分のものとして定着し、
以前よりも高いパフォーマンスを維持できるようになるのです。

もちろんこれは、
何かに継続的に取り組んでいる人の誰もが感じていることだと思います。

ですので、たとえばスポーツの選手であれば、
試合の時の自分がこの図形のどこにいるのかということは、
おそらく頭では理解していることでしょう。

ただ、周りの人や観客には、
それがなかなか理解できません。

今までの実績からこれくらいの成績は当然だ、
という気持ちで見られてしまいます。

それで、もしかすると選手の中には、

「自分はベストを尽くせなかった」

と思ってしまう人がいるかもしれません。

でも、実際はそうではないのです。

オリンピックに出るような選手は皆さん、
毎日毎日途方も無い量の練習を重ねていることでしょう。

そうやって練習を積み重ねているということは、
このグラフのようなパフォーマンスの変動が、
より頻繁に起こりうるということなのです。

もちろんその変動をある程度コントロールできるからこそ、
オリンピックに出られるほどの選手なのでしょうが、
だからといってそれが0になるわけではないのです。

そしてそれは最初に述べたように、
スポーツの世界に限ったことではないのです。

何かに一生懸命取り組んで、
もう少しで上手くいきそうなところで失敗をする。

あるいは外からの横やりが入って、
ブレーキをかけられてしまう。

こういったことは、
皆さん日常的に感じておられることでしょう。

でもそれは、
努力が足りないのでも停滞しているのでもなく、
前に進んでいる証拠なのです。

だから大切なことは、
そこで気を落とさずに努力を続けること。

それさえできれば、
必ず道は開けてきます。

私自身、
そう言い聞かせて修練を続けておりますw

だからレベルは全然違いますが、
オリンピックで思うような結果が出せなかった選手にも、

「おつかれさまでした、また頑張りましょう」

と声を掛けてあげたいのです。

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おめでとうございます!!

先日、とても嬉しいメールを頂きました。

以前に武颯塾神戸修練会の無料体験に来られた方から、

「空手の全国大会(型の部)で入賞した」

とのご連絡があったのです♪

一度お会いして力を抜くための簡単な体操を紹介しただけなのですが、
それでもこうしてご連絡を頂けると本当にありがたいです。

日頃の練習の成果を発揮しての入賞、
本当におめでとうございます。

ますます精進されますことを、
期待申し上げます。

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姿勢の改善(その3)

ここ2回の記事において、
姿勢改善の重要性について書いてきました。

今回は、姿勢改善の方法について書きたいと思います。

姿勢の改善方法には様々なものがありますが、
最初にお伝えしたいのは、

「習慣を変えるためにはエネルギーが必要」

だということです。

どんなに「簡単」とか「楽にできる」と言われる方法だとしても、
姿勢改善においては「続ける」ことが必要です。

そして、今の状態を変えるということに対しては、
必ず何らかの形で「反発」があります。

その「反発」を乗り越えてでも現状を変えるという気持ちが無い限り、
姿勢が良くなることはありません。

以上の前提を踏まえて、
姿勢改善に効果が見込まれる「簡単」な体操を紹介します。

方法は以下の通りです。

1.足幅を肩幅に開いて真っ直ぐに立つ

2.体の横にぶらりと下げた手を、垂直に上に挙げる

たったこれだけ、本当に簡単ですよね(笑)

注意点は、

・立っている時のつま先は正面を向いていること

・手が前後に動かないこと

・肩を上げないこと

・上体を反らないこと

です。

手を前後に動かさず垂直に持ち上げるためには、
肘が前後左右に滑ることが必要です。

さらに肩を上げないようにすると、
肩甲骨が大きく動きます。

そして最も大切なことは、
その時地面から足裏を通って、
垂直に力が上がってくるのをよく感じることです。

この足裏から垂直に上がる力で身体を支えるから、
楽に真っ直ぐ立つことができるのです。

ちなみにこの体操は、
武颯塾で行っている修練の形を変えたものです。

修練としては、

「脱力した腕を抗力を使って持ち上げること」

が主な目的なのですが、
これは一人で行っても効果があると思い、
紹介することにしました。

とはいえ最初に書いた通り、
どんなに簡単な体操でも続けなければ効果はありません。

一人では続けるのが難しいという方は、
ぜひ、武颯塾の修練に参加してみてください。

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修練への参加も難しいという方のために、
次回は私が使用している姿勢改善に役立つアイテムを紹介します。

(あくまで私が個人的に使用しているもので、
武颯塾とは全く関係がありません。)

(以下、次回へ右矢印

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姿勢の改善(その2)

前回に引き続いて、
「姿勢」について書いていきます。

健康についてのテレビや雑誌で取り上げられることの多い「姿勢改善」ですが、
そのことによって得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

一般的に言われているのは、

・肩こりや腰痛の軽減
・内臓の負担軽減

という健康面での効果や、

・背が高くスマートに見える

という外見上の効果ですよね。

もちろんそれらもありますし、
とても大切なことだと思います。

ですが、
「姿勢改善」による効果はそれだけではありません。

身体機能面から言えば、

「力の伝達がスムーズになり、より少ない労力でより大きな力を発揮できる」

ということが言えます。

このブログでは何度か書きましたが、
地上での運動における力は「重力」と「抗力」が大部分を占めています。

姿勢が良くなるということは、
自分の筋力で余計に支える必要が無く、
地面からの力を目標に伝えやすくなるということなのです。

また、これはあまり言われることが無いのですが、
心理的な側面も忘れてはいけません。

簡単な実験をしてもらえるとわかるのですが、
真っ直ぐな姿勢と猫背の状態で比較すると、
明らかに猫背の方が「恐怖心」を感じやすい。

姿勢が悪い状態は、
身体だけでなく心までもが動揺しやすい状態なのです。

ですから、「姿勢」を整えるということは、
ただ単に肩こりや腰痛の予防・改善といった効果だけでなく、
もっと積極的に自分自身のパフォーマンスを上げることにつながるのです。

(以下、次回へ右矢印

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姿勢の改善

武颯拳の修練や鍼灸治療だけでなく、
普段日常的に感じることがあります。

それは、

「姿勢が悪い人が多い」

ということ。

そして、
健康関連のメディアで取り上げられる機会が多いにもかかわらず、
姿勢の改善に取り組んでいる人が少ないということ。

これは、
本当に残念なことなのです。

私自身、
以前はとてもひどい猫背でした。

13年前に武颯塾に入門して、
最初に注意を受けたのが姿勢についてだったと記憶しています。

それから1年ほど姿勢に気を付けながら生活することで、
少なくとも外見上の猫背は直りました。

当時はただ、
指導を受けたから矯正しただけでしたが、
今ではより姿勢の重要性を感じています。

極端な話、見る人によっては立っている姿勢を見ただけでも、
その人の身体感覚がどの程度開発されたものであるか、
概ねの検討はつくものなのです。

ですから、
猫背の入門当時よりもなお一層、
現在の方が姿勢に対して注意を向けています。

今よりも良い姿勢が取れるようになったということは、
それだけ武術の修練が進んだということとイコールだと分かるからです。

では、姿勢を改善することによって、
一体何が得られるのでしょうか。

(以下、次回へ右矢印

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続々・他人に対する無意識の要求を手放す

「何かを期待して、それが達成されない」

という状況に対して人はストレスを感じやすい、
と前回の記事で書きました。

そして人間関係のストレスの多くは、
これが原因だと考えています。

つまり、

「他人に対して何かを期待、あるいは要求している」

ことが対人関係のストレスを生んでいるのです。

しかもこの他人に対する要求を、
「無意識」に行っている場合の方がストレスは大きいのです。

なぜなら、実際に人に何かを要求してしまえば、
その行為自体がガス抜きになります。

さらに要求が通らなかったとしても、
別の形で再度要求を出すこともできます。

前回の例で言えば、
会社の同僚が電話に出てくれない状況で我慢しているよりは、

「あなたも電話に出て欲しい」

と言った方がストレスは少ない。

前から歩いてくる人が邪魔だったら、

「道をあけてください」

と言えばいいのです。

しかし、他人に対する要求を自分自身が正しく認識できていないと、
それを形にすることができません。

まずは「他人に対する無意識の要求」に気づきそれを形にすることが、
人間関係を良くするための第一歩なのです。

もちろんそれだけで円滑なコミュニケーションが取れるかというと、
そうではありません。

自分の要求を形にするだけでは、

「わがままな人」

と思われてしまうでしょう。

自分の中の無意識の要求に気づいて形にすることは大切ですが、
それは結局、自分のストレスを他人に転嫁しているだけですから。

そこで次の、

「自分の中の他人に対する要求に気づいて形にする」

と同時に、

「その要求が通るかどうかは気にしない」

というステップが必要になるのです。

相手に対して自分の要求を出すことはした方が良いけれども、
どうしてもその要求を通そうなんて思ってはいけない。

自分が異性に告白されたところを想像してください。
たいした付き合いもない状況で、

「どうしてもあなたじゃないとダメなんです」

なんて言われたら気持ち悪いですよね。

こんなのは相手を好きなのではなくて、
自分の感情に執着しているだけなのです。

要は、自分の要求に執着するなってこと。

これは口で言うほど簡単ではありませんが、
本当に重要なポイントだと思います。

わがままで周りを振り回す人、
引っ込み思案で言いたいことを言えない人、

どちらも自分の要求に執着しているという意味では同じなのです。

結局のところ、
他人に対する無意識の要求に執着している限り、
人間関係のストレスが無くなることはないのです。

そこで、

「他人に対する無意識の要求を手放す」

というわけです。

長くなりましたがやっと本題にたどり着けました(笑)

これができると本当に、
生きることが楽で楽しいものになると思います。

なぜなら人間関係におけるストレスが激減するだけでなく、
自分自身に対する不必要な要求や制約からも自由になるからです。

他人に対する無意識の要求は、
自分に対する要求でもあります。

他人に対して「遅刻してはいけない」と言っている人は、
自分に対しても「遅刻してはいけない」と言っているのです。

ですから、

「他人に対する無意識の要求」

を手放すことは、

「自分自身に自由を与える」

ことになるのです。

長々と書き連ねてきましたが、
まずは私自身が少しでも実践できるよう、
修練に励みたいと思っております。

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続・他人に対する無意識の要求を手放す

昨日の記事で書いた、

あなたの進行方向にある電信柱と、
あなたの進行方向から歩いてくる人を、
おなじように避けることができますか?

という質問について、
自分の心に正直になって考えてもらえましたでしょうか。

おそらく多くの人にとって、
電信柱と人を同じように避けることは出来ないと思います。

もちろん物理的には、
ただ避ければいいだけです。

止まっている電信柱と動いている人という違いはあっても、
避けきれないほどのスピードで歩いている人はいないと思いますから(笑)

それでも、
心理的な側面から見ると大きな違いを感じるはずです。

その大きな違いとは一体どのようなものでしょうか。

それは、

「電信柱が道を避けることを期待はしないが、
歩いてくる人に対しては避けることを期待している」

というものだと考えます。

ほとんどの人は電信柱に向かって

「邪魔だから道をあけろ!」

とは思わないですよね。

そんなこと思っても、
出来るわけありませんから。
(たまーに電信柱に怒っている人もいますが…)

ところが歩いてくる人が相手だと、

「あなたが道を譲ってよ」

と思ってしまうのです。

なぜなら自分が道を譲ることもできますが、
相手も同じようにできると無意識のうちに思うからです。

これは何も、
道を歩いている時に限ったことではありません。

オフィスで電話が鳴った時。

もちろんあなたも電話に出ることができますが、
隣の同僚がでても構わないはず。

なんだったら、
明らかに暇そうな部長が出てくれてもいいじゃない。

なんて思うこと、
ありませんか?

毎日をこんな感じで過ごしていたら、
それはストレスも溜まりますよね。

そのストレスはなぜ生まれるのかというと、

「他人に対して何かを期待、あるいは要求しているから」

ではないでしょうか。

オフィスであなたの隣にいるのが観葉植物だったなら、
何も考えることなく電話に出るはずです。

観葉植物に要求することは電話に出ることではなく、
居心地のいい空間を提供してくれることですから。

「何かを期待して、それが達成されない」

という状況に対してこそ、
人はストレスを感じやすいのです。

(以下、次回へ右矢印

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