股関節を緩めて動かす

股関節

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「股関節を緩めて動かす」

ということについて書きます。

 

 

本格的にスポーツをやっている人にとっては、
「股関節」の重要性は言うまでもないことでしょう。

けれども、一般の人にとってはどうでしょうか。

「股関節を緩めて動かす」

ということが一体どのようなものなのか、
身体の感覚としてイメージできるでしょうか?

実際、武颯拳の修練においても、
私が入塾した当初から股関節の重要性は言われていました。

ですが私自身の理解力や修練の不足もあり、
なかなかその感覚を身に付けることが出来なかったのです。

そしておそらく多くの人にとっても、
「股関節」というのはブラックボックスになっています。

それは、普段修練をともに行う仲間や、
治療を受けにくる患者さんを見ていても明らかです。

しかしながら、

「股関節を緩めて動かす」

ということが出来るようになれば、
身体の使い方が飛躍的に上手くなります。

スポーツをやっている人であれば、
パフォーマンスの向上に。

膝や腰を痛めている人であれば、
その痛みの緩和に。

「股関節」が緩んで動くようになることは、
大きな恩恵をもたらすのです。

実際、膝の前十字靭帯が切れている私にとっても、
股関節が若干なりとも動くようになったことは、
膝への負担を大きく減らしてくれました。

ですからより多くの人に、

「股関節を緩めて動かす」

ということに取り組んでほしいと思うのです。

武颯塾神戸修練会では、
上の動画のような修練を行うことで、
「股関節」を意識化していきます。

ぜひご覧になり、
参考にして頂けたら嬉しいです。

P.S.

もっと多くの方に来て頂いて、
より幅広く学べる環境。

さまざまな取り組みをされている人たちが、
「脱力」というキーワードで交流できる場所。

武颯塾大阪支部と神戸修練会を、
そんな場所にしていきたいと思っています。

このブログを読んで興味をお持ちでしたら、
ぜひ、ご連絡ください。

修練参加でも、質問でも何でも結構です。

ピンとくるものがあれば、
遠慮なくメールをください。

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P.S.

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脱力を基本とする武術的身体トレーニングを行っています。

一般的な武道においてイメージされるような、
先輩後輩の上下関係は一切ありません。

ただただ合気や発勁を使えるようになるための、
身体コントロール技術を楽しく学ぶための場所です。

当然、直接殴ったり蹴ったりすることもなければ、
怖いと感じた動きを強制もしません。

ご自分の出来る範囲で、
無理なくトレーニングに参加することが出来ます。

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2013.12.8武颯塾大阪セミナーレポート

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、12月8日に難波の浪速スポーツセンターで行われた、

「武術で開く可能性の扉in大阪」

というタイトルの武颯塾のセミナーについてのレポートを書きます。

今回のセミナー参加者は32人。

消防関係の方や合気道経験者など、
本当に様々な人たちが参加してくれました。

年齢層も20代から80代までと幅広く、
さらに女性の参加者も12名いて、

「老若男女を問わず出来る」

という武颯塾の主旨にピッタリ。

とても和やかな雰囲気でセミナーは始まりました。

武颯塾のセミナーは基本的に二人組になって受ける、
動きの多いものです。

ですから普段10人程度で修練している身からすれば、
実際に始まってみると会場が少し狭く感じるくらいでした。

二人組を作って自己紹介をしあった後、
最初に行ったことは、

「横押し」

という、武颯塾の養体修練における、
基本的なものの一つでした。

脱力~Reset Style(リセットスタイル)~-武颯塾セミナー写真2

やり方はとてもシンプルなものなのですが、
意識を向けるポイントを教えてもらうと、
途端に奥深い練習になります。

この練習を繰り返し行うことで、
自分や相手の「重心」に意識を向けるとはどういうことか、
身体の感覚として学ぶのです。

セミナーにおいても茂呂師範から様々な質問が繰り返され、
それに対して参加者が悪戦苦闘しながら回答するという形で、
気づいたら1時間近く(!!)もこの練習をしていました。

普段修練をしている立場からすると、
「かなり引っ張るなあ~」という印象も正直あったのです。

ですが、この練習にこれだけの時間を割いたからこそ、
その後の練習における参加者の理解度が格段に深まったことが、
横からみていても感じ取れました。

集中して師範の話しを聴いている参加者の雰囲気が、
場の空気として伝わってくるのです。

「横押し」から先のメニューとしては、

「後ろから組みついた相手を振りほどく」

$脱力~Reset Style(リセットスタイル)~-武颯塾セミナー写真6

という武術的な要素の強いものや、

「相手を支えながら歩く」

脱力~Reset Style(リセットスタイル)~-武颯塾セミナー写真4

という介護的なもの、
さらには、

「親指で相手の肩を上から押す」

脱力~Reset Style(リセットスタイル)~-武颯塾セミナー写真5

という整体的なものまで、

「力を抜いて力を出す」

という「脱力」の応用範囲の広さを示すものでした。

いずれの練習メニューにおいても、
普段なら出来ないようなことが簡単にできることに、
参加者が驚きながら楽しんでいるのが印象に残っています。

これは、最後の方に茂呂師範も言っていましたが、
「横押し」の練習を繰り返し行い、

「自分の身体に意識を向ける」

ことが出来るようになっていたから。

ですがこのような意識というのは、
普段の生活においては簡単に忘れてしまいます。

だからこそ日々の修練の必要があるのですが、
その為にもまずは「気づく」ことが大切なのです。

自分の身体に意識を向けることで、
動きや感覚がどのように変化するのか。

「脱力」という今までの習慣と違うことに取り組むのは、
必ずと言っていいほど抵抗感を感じるものです。

しかし、明らかな違いやメリットに気づけば、
その抵抗感を乗り越えて取り組むことができるでしょう。

そのためにも、
今回のようなセミナーは意義深いものだと思っています。

「武術」というものそれ自体を必要としている人は、
現代においては数少ないかもしれません。

ですが「整体」「介護」であれば、
グッと身近に感じるのではないでしょうか。

さらには自分が「リラックス」して快適な生活を送ることは、
ほとんど全ての人が望んでいるはずです。

今回のセミナーにおいて、
参加者が見せてくれた真剣に楽しんでくれている様子。

それは、「脱力」が今本当に必要なものなのだと、
改めて感じさせてくれるものでした。

P.S.

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第3の選択

第3の選択

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「第3の選択」

について書きます。

「脱力」を意識して武術の修練をしていると、
必ず突き当たる壁があります。

それは、

「力を抜くと、弱くなる」

という思い込みの壁です。

例えば相手が押してくるのを受けて、
動かされないように立つ修練をしているとしましょう。

相手が力いっぱい押してくるのに対し、
普通はこちらも同じように頑張って対応します。

けれども「脱力」の修練ですから、

「力を抜きなさい」

と、当然言われるのです。

そして、

「はい、わかりました!!」

と言って力を抜くと、
相手に簡単に押されてしまう。

あるいは、

「力を抜くのですね!!」

と言いながら、
全く力を抜くことが出来ない。

このように、

「頑張る or 頑張らない」

の、

「二者択一」

になってしまうことが、
この手の修練では本当に良くあるのです。

そしてこのどちらを選んでも、
修練としては不正解。

修練の目的を理解していないということになります。

なぜならこの修練は、

「動かされないように立つ」

ことが目的の修練なのですから。

だからこの修練を行うのであれば、

「ただ動かされないように立っている」

ことをすればいいのです。

にもかかわらず、

「動かされないようにするには、こうしなければならない。」

という思い込みが、
自分でも意識していないうちに働いてしまう。

その結果、

「押されないように頑張る」

か、

「頑張らないと押されてしまう」

という本来の目的とは違った

「二者択一」

の罠にハマることになるのです。

くどいようですが、
この修練の目的はあくまで、

「動かされないように立つ」

ということ。

「頑張る or 頑張らない」

ではなく、

「動かされないように立つ」

ことをすればいいのです。

さらに突っ込んで話をすれば、

「押される or 押されない」

ということからも意識を外して、

「立つ」

ということに意識を向け続ける。

その時に身体の中で起こっていることを、
注意深く観察して感じ取る。

それがこの修練本来の目的です。

つまり、

「誤った二者択一の罠」

から抜け出して、

「第3の選択」

をするというわけです。

そしてこれは、
別段修練に限ったことではありません。

私たちの何気ない日常においても、

「誤った二者択一の罠」

は至る所に存在しています。

何か不愉快なことが起きた時、

「怒り出す or 我慢する」

のどちらかしか選べないと思っていませんか?

けれどもそこにはもしかすると、

「立ち去る」

「受け流す」

「無視する」

といった、

「第3の選択」

が存在するかもしれない。

もちろんいつでもそれを選べるとは限りませんが、
少なくとも探そうとしてみるようになる。

それが脱力修練の、
大きな効果の一つだと思うのです。

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武颯塾セミナーのチラシ

こんにちは、ワタルです。

先日お伝えした武颯塾大阪支部セミナーの件ですが、
遅ればせながらチラシを作成しました。

$脱力~Reset Style(リセットスタイル)~-武颯塾セミナーチラシ

ガンバって作ったので、
ぜひとも見てくださいw

大阪支部修練生は、
プリントアウトして最大限活用するように♪

ちなみにこれを作るのに使ったソフトは、

Adobe Fireworks CS6 Windows版

というものなのですが、
今後は次のバージョンのフォトショップに機能統合され、
無くなってしまうことに。

デザインのプロの方は別として、
私のように個人レベルで使うには、
とても使い勝手が良いソフトだったのに…。

それはともかく、
セミナーは本当におもしろいです。

「武術で開く可能性の扉」

とタイトルにもありますが、
自分の身体が持っている可能性に気付ける内容です。

ぜひ、会場に足を運んでみてください!!

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武颯塾大阪支部セミナーのご案内

こんにちは、ワタルです。

タイトルにもありますように、
12月8日の日曜日にセミナーを行います。

$脱力~Reset Style(リセットスタイル)~

セミナーテーマは、

「護る(護身・護心)・護る(介護)・癒す(治療)」

です。

講師は武颯塾東京本部より、

茂呂隆師範

茂呂恵子師範

の両師範が来阪して務めて頂きます。

両師範により、
武術と介護と治療とが全く同じ原理の元に行われる。

それを目の前でみて、触れて、体験することで、
古来より言われている、

「武医同源」

という言葉の本当の意味を、
身体を通して理解してもらえることでしょう。

「脱力」をベースとした身体の使い方を学ぶことが、
自分や身近な人を護り、癒すことにつながるのです。

私たちの実生活において、

「護身」

を必要とすることはほとんど無いように思えるかもしれません。

ですが、例えば仕事や家族の事情で、

「介護」

をしている人にとってはどうでしょうか。

襲い掛かってくる相手はいませんが、
自分の身体をケガから護る必要はありますよね。

さらに言えば、

「護心」

という意味においてはどうでしょう。

私個人の意見になりますが、
インターネットと携帯電話の普及によって、
生活していく中で受けるストレスは激増しています。

「いつでも誰かとつながっている」

ということは、

「ストレスを受ける機会が圧倒的に多い」

と言うこともできるのです。

そういう意味においては、

「護心」

とはあらゆる人にとって、
取り組む必要があるテーマだと言えるでしょう。

また、そういう世相を反映して、

「癒し」

が求められるようになって久しいです。

整骨院や整体院、それにマッサージ店の数は、
今やコンビニの次に多いのではないかとさえ思えます。

ですがこの「癒し」の業界も、
介護と同じく施術者に多くの負担がかかっています。

施術者がくたびれた代わりに、
お客さんが楽になっているのです。

ですがもし、施術者が楽になった分だけ、
お客さんも楽になる方法があったら…。

「脱力」による身体運動を学ぶことは、
そこにつながっていくのです。

「自分を護り、身近な人を護り、そして癒す。」

言葉にするとありきたりかもしれませんが、
「体験」することでその本当の意味がわかります。

12月8日はぜひ、
武颯塾大阪支部セミナーにお越しください!!

-記-

武颯塾大阪支部セミナー

「護る(護身・護心)・護る(介護)・癒す(治療)」

日時:12月8日(日) 14:00~16:00

費用:3000円(学生2000円)

場所:浪速スポーツセンター
   大阪市浪速区難波中3丁目8番8号
   (大阪府立体育館の裏にあります)

※場所のお問合せは、06-6643-6444にお願いします。

最寄り駅:南海線「難波」、地下鉄「なんば」、近鉄線「なんば」、JR線「難波」

※動きやすい服装でご参加ください。

お申し込み

武颯塾東京本部道場 ℡03(3590)5885 
muso-ken@coda.ocn.ne.jp

または

musou-tensei@eurus.dti.ne.jp まで

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股関節を緩める(腰痛・膝の痛みの解決に向けて)

股関節

 

こんにちは、ワタルです。

今日は久しぶりに、
「整体」というテーマで書いていきます。

私は去年の12月から、

「ミナミで学ぶ、整体と介護」

と題したセミナーを、
難波の浪速スポーツセンターで行っています。

そこでは様々な身体の不調に対する施術や、
介護の動作をテーマとして取り上げて、
どうすれば無理なく効果的に動けるかを伝えています。

その中で私が担当しているのが、

「整体道場」

です。

文字通り「整体」のやり方を、
武術の修練と同じ観点から解釈してお伝えしています。

そしてその目的とするところは、

「相手を緩めることで自分も緩む」

というもの。

整体やマッサージをしてあげることが、
「負担にならない」やり方を身に付けて頂くのです。

整体やマッサージを職業にされている方なら良くわかると思うのですが、
どうしても「頑張って」施術してしまうのですよね。

すると自分がしんどいだけでなく、
施術の効果も努力に見合わないものになってしまう。

けれども、自分自身が脱力して、
その時に生まれる力を相手に伝える。

そういうやり方を身に付ければ、
まずは自分が疲れなくなります。

そしてそれが上達するほどに、
相手の身体の奥深くにまで浸透する力を使えるようになるのです。

そんな「整体道場2013.11.2」のテーマは、

「股関節を緩める」

というものでした。

このテーマの重要性は、
まだ世間一般に知られているとは言えません。

ですが身体の構造上より中心に近い「股関節」を緩めることで、
本当に様々なメリットがあるのです。

例えば多くの方が悩んでいる、
「腰痛」「膝の痛み」

その治療のために、
整形外科や整骨院に通っている方も沢山いますよね。

ですがそこで伝えられるそれらの予防策と言えば、

「腹筋と背筋を鍛えましょう」

「太ももの前側の筋肉をつけましょう」

といったものがほとんどです。

けれども良く考えてください。

体重を腰や膝で無理に支えていることが、
その痛みの原因ですよね。

それなのに腰周りや膝周りの筋肉を鍛えたら、
なおさらそこに頼ってしまいます。

つまり一時しのぎにはなっても、
「本質的な解決」には向かっていないのです。

では、「腰痛」「膝の痛み」に対する、
「本質的な解決」とはどのようなものなのか。

それは、

「体重の支え方を変える」

ということ。

もちろんそれには様々な段階がありますが、
その中でも重要なポイントの一つが、

「股関節を緩める」

ことなのです。

解剖図を見るまでもなく、
「股関節」「腰」「膝」の間にあります。

つまり「股関節が緩む」ということは、

「腰の下にクッションを入れる」

「膝の上にクッションを入れる」

ということと同じなのです。

そう考えると、

「股関節を緩める」

ということが、
「腰痛」「膝の痛み」にどれだけ効果的か、
分かって頂けるでしょう。

そんな効果的なアプローチをお伝えしている、

「整体道場2013.11.2」

のセミナー動画をアップロードしました。

少々長いですが、
何度も繰り返しご覧になってください。

きっと得られるものがあるはずですよ♪

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「南無阿弥陀仏」について考える

南無阿弥陀仏

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「南無阿弥陀仏」

について考えてみます。

みなさんご存じのとおり、
仏教の一派である浄土宗や浄土真宗で唱えられているアレです。

浄土宗や浄土真宗については、
中学校の歴史の時間で習いましたよね。

法然上人が開いた浄土宗と、
その弟子である親鸞聖人が開いた浄土真宗。

教科書に書いてあった程度の知識ですがその教えは、

「南無阿弥陀仏」

と唱えることで、
難しい修行をしなくても極楽浄土に行けるというものでした。

これを習った当時の私は、

「なんてムシの良い話だw」

と思っていました。

それが本当なら誰も苦労はしないよ、と。

ですが細々と武術の修練をしてきた今では、
少し違った考えを持っています。

「南無阿弥陀仏」

の教えには、
もっと深い意味があるのではないかと。

そう考えてみたときにある仮説にたどり着いたので、
それを書いてみようと思ったわけです。

ちなみにこの、

「ただ南無阿弥陀仏と唱えていればいい」

という話を最初に聞いたときに私が想像していたのは、

「何か都合の悪いことが起きた時に唱える」

というものでした。

それはドラマやアニメの影響もあるかもしれませんが、
これを読んでいる皆さんもそうではありませんか?

日本昔話なんかで、
鬼が来ることに怯えながら家の中で唱えている。

そんなイメージを持っていたのは、
私だけではないと思うのです。

そしてそうしたイメージにおいては当然、

「そんなの意味無いよ」

と言ってしまうわけです。

しかしこのイメージの前提を変えてみたらどうでしょう?

「都合の悪い時にだけ唱える」

のではなく、

「起きている間ずっと唱え続ける」

のだとすればどうか。

随分と話は違ってきますよね。

それはそうそう出来るものではないし、
ムシの良い話でもなくなってくる。

つまり私が考えた仮説とは、

「南無阿弥陀仏は唱え続けなければ意味がない」

というものなのです。

たとえどんな時でも。

仕事をしている時、
友達と話をしている時、
家族と食事をしている時、えとせとら。

いついかなる時においても意識のある限り、
南無阿弥陀仏と唱え続ける。

念仏を唱えることに集中することで、
自分の中の余計な思考や感情から解放される。

これがおそらく、
法然上人が伝えたかったことなのではないでしょうか。

お坊さんでもある後輩によると、
法然上人はもともと比叡山の天台宗にいたそうです。

比叡山と言えば、

「千日回峰行」

が有名ですよね。

三年にわたって野山を駆け回り続ける。

そんな厳しい修行が出来なくても、
ただ一日中念仏を唱えていれば良い。

法然上人にとってはそれは、
誰でも簡単にできる修行方法に思えたことでしょう。

なにせ比べる対象が超人的な修行なのですから。

けれどもそれを聞いた一般の人にとってはどうでしょうか。

起きている間ずっと念仏が頭の中で鳴っている人など、
まずいないと言えるでしょう。

私としてはここに、
教えることと教わることの難しさを感じます。

おそらく法然上人の話を聴いた人たちは、

「ああ、こんな簡単なことで極楽に行けるんだ」

と思ったことでしょう。

そしてそれを伝えた法然上人も、

「そう、こんな簡単なことで良いんだよ」

と思って伝えたはずなのです。

ですがそれぞれの理解している教え、

「ただ南無阿弥陀仏と唱えていればいい」

という言葉の間には、
絶対的な違いがあります。

その違いとは、

「回数」

です。

ただ話を聴いた人たちはきっと、

「思い出した時に念仏を唱える」

という理解と行動をしたことでしょう。

けれども法然上人の教えでは、

「起きている間ずっと念仏を唱える」

という行動を要求しているのです。

もちろんこれは私の仮説なので、
実際の法然上人の教えがこの通りとは限りません。

ですが一説によれば法然上人自身は、
1日に60,000回の念仏を唱えていたそうです。

仮に1秒に1回唱えたとしても、

60,000秒=1,000分=16時間40分

かかるわけです。

そう考えると、

「起きている間ずっと唱え続ける」

ということにも、
真実味がでてきますよね。

…話しが逸れましたが、
結局ここで言いたかったことは、

「教わった通りに行うことが如何に難しいか」

ということ。

法然上人のように1日60,000回の念仏を唱えている人は、
ほとんどいないことでしょう。

武術を学んでいる私自身も同様に、
教わったことを本当に理解しているのかどうか、
はなはだ怪しいものです。

だからこそ師の教えは、
何度も何度も繰り返し受ける必要があるのです。

一度聴いただけで分かった気になる自分を抑えて、注意深く教えを受ける。

そういう態度が、
何かを学ぶときには絶対に必要になる。

南無阿弥陀仏について考えていて、
ふとそんなことを思った次第です。

P.S.

もっと多くの方に来て頂いて、
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「脱力」というキーワードで交流できる場所。

武颯塾大阪支部と神戸修練会を、
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神様は壁と同じ!?

 

こんにちは、ワタルです。

前回記事の終わりに書いた、

「神様は壁と同じ」

という不謹慎な結論について、
今回はその理由を書いていきます。

$脱力~Reset Style(リセットスタイル)~-新幹線

この話はもともと、
神様に対する態度として、

「自力本願と他力本願のどちらが良いのか?」

という疑問から始まりました。

そして武颯塾のある先輩は現時点で、
「他力本願」の方がなじむと言っています。

それがなぜかというと、

「神様は壁と同じ」

だからなのです。

説明します。

武颯拳の修練における最も基本的なものとして、

「曲げられない腕」

というものがあります。

オーソドックスな形としては、
前に出した腕を肘のところで曲げに来たのに対し、
それをどれだけ力を抜いて受けられるかを修練します。

ですがやってみると、
意外とうまくいきません。

とくに初めのうちは、
力を抜くとフニャッと曲がってしまいます。

そこでアプローチの一つとして、

「手で壁を触りに行く」

という方法があります。

この方法を取ることで、
それまで曲げられていた腕が、
驚くほど強くなるのです。

この時重要になるのは、

「意識を集中する」

ということ。

曲げられている腕に向いてしまいがちな気持ちを、
ただひたすら「壁を触ること」に集中するのです。

すると、不思議に思われるかもしれませんが、
自分が「壁」になったような感覚を感じられる。

そしてそうなったときには、
曲げられている腕から「自分」がいなくなっている。

この、

「『自分』がいなくなった腕」

というのが、
それまでとは比べ物にならないくらい強いのです。

つまりこのアプローチにおけるポイントは、

「自分が壁になる=腕から自分がいなくなる」

ということ。

これによって、

「無我の強さ」

の一端を垣間見るのです。

そしてこの時の「壁」と、
神頼みの時の「神」とは同じものではないか。

というのが、
今回言いたいことなのです。

神頼みを行う時というのは、
何か願いや目標がある時ですよね。

そんな時に、

「自分で頑張ります」

と言ってしまうのは、
腕を自分で曲げられないように頑張るのと同じではないか。

それならばいっそ、

「神様お願い!!」

と一心不乱にお願いした方が、
むしろ「無我」に近づけるのではないか。

私自身のことを振り返って考えてみると、
神頼みをしていたのは小学生くらいまでのように思います。

特定の宗教を信仰していたわけではありませんし、
そもそも神様を信じていたわけでもありません。

それでも中学生になる前くらいまでは、
何か大変なことがあると神頼みをしていたのです。

おそらく中学生になるころには自我が発達してきて、

「自分で頑張る」

ことが大切だと考えるようになったのでしょう。

もちろんこれが間違いだというつもりはありません。

自分が何もしないで目標に近づくことなんてありえないし、
自我の確立は精神的な発達において必要不可欠な段階ですから。

けれども、それがゴールではない。

確立した自我から、
もう一度自由になる。

それが脱力修練の進む方向ではないか。

だとすれば、

「神様お願い!!」

という他力本願に思える態度こそ、
実は修練の一つの段階なのではないか。

そういう意味において、
「無我」に近づくための目標設定として、

「神様は壁と同じ」

だと言えそうだ。

そんなことを話しながら、
東京から帰ってきたのです。

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「神様お願い!!」について考える

八坂神社

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「神様お願い!!」

という、いわゆる「神頼み」について書きます。

これは先日東京・池袋で行われた武颯塾演武会の帰りに、
武颯塾の先輩と話した内容をまとめたものです。

ちなみにその先輩は日本の神話に対する知識も深く、
各地の神社にも数多く参拝した経験があります。

当然、参拝の作法などについて書かれた本も、
一般的なものからスピリチュアル寄りのものまで、
幅広く読んでいるわけです。

そんな先輩いわく、
神社へお参りする時の態度として、
大きく分けて2通りあるそうです。

一つは、

「神様お願い!!〇〇して下さい!!」

というもの。

どこからどう見ても、
明らかに他力本願そのものですね。

もう一つは、

「私は〇〇を頑張ります!!神様見ていてください!!」

というもの。

こちらはお願いというよりは、
宣誓といった感じでしょうか。

基本的には自分の力で頑張ろうという態度ですよね。

これら2つの態度、
全く正反対に見えるわけですが、
一体どちらが正しいのでしょうか?

先輩自身は参拝に興味を持ったころ、
まずは後者の態度で行っていたとのことです。

それは当時読んでいた参拝関連の本に、
そのように書かれていたから。

そしてその、

「自分で頑張ります」

という態度の方が、
他力本願よりも正しい気がしたから。

けれども最近は、
考え方が変わったそうです。

むしろ、

「神様お願い!!」

の方がしっくりくる。

「この変化は一体何なのか?」

いや、そもそも、

「脱力修練から見た神様とはどういったものなのか?」

ということについて二人で話していたわけです。

そして出した現時点での結論。

それは、

「神様は壁と同じ」

という、不謹慎極まりないものでしたw

(以下、次回へ右矢印

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地球の重力に魂を引かれる

 

こんにちは、ワタルです。

今日のテーマは、

「地球の重力に魂を引かれる」

というもの。

いつもとは少し違い、
アニメの設定を題材にして修練の話をしたいと思います。

ちなみにこのフレーズは、
「Zガンダム」というアニメの中にたびたび出てきます。

ガンダムの世界を知らない方のために簡単な説明をすると、
その物語は基本的に、

「宇宙移民と地球に残った人々との戦争」

を軸として描かれています。

そして宇宙を生活空間として受け入れた結果として、
認識能力を進化させた人のことを「ニュータイプ」と呼び、
それ以外の人たちと区別しているのです。

その「ニュータイプ」に対して、
それ以外の人のことを「オールドタイプ」といいます。

物語の主人公は「ニュータイプ」の少年であり、
認識能力の異なる「オールドタイプ」との間で生じる葛藤も、
ストーリー上の大切なポイントになっています。

この「オールドタイプ」の中でも特に、
地球に残って既得権益を得ながら宇宙移民たちを支配している人たちを、

「地球の重力に魂を引かれた人々」

と呼んでいます。

いわゆる勧善懲悪ものではないガンダムシリーズの中での、
潜在的な「敵」だとも言えますね。

前置きが長くなりましたが、
ここから修練の話につなげていきますw

ガンダムの世界では、
地球の重力に魂を引かれていることが、
人の進化を妨げているという設定です。

そしてそこから解放されることで、
「人の革新」である「ニュータイプ」になれるというわけです。

しかし現実の私たちにおいてはそもそも、

「重力に魂を引かれることさえできていない」

のです。

私自身の状況を言葉にすると、

「重力に魂を引かれないように必死に頑張ってる」

のだと感じています。

私が修練している武颯拳のもっとも基本的な理念は、

「自然の法則に適応する」

というものです。

そのためにまずは、
自然界における最大の「力」である、

「重力」

に適応することを修練しています。

具体的には身体の力を抜いて、
「落ちる働き」に身を委ねることを様々な形で行います。

もう10年以上修練を続けているので、
身体の力を抜こうとすることは、
習慣として身についてきたように思います。

けれども、「私自身」についてはどうだろう。

私の「意識」というか「魂」というか、
そういう根本的な部分についてはどうだろうか。

そう問いかけてみた時に、

「重力に魂を引かれないように必死に頑張ってる」

ということに気づいたのです。

例えば腕の力を抜くとき、
「緩んでいない私」が腕を緩めようとしている。

自分は緩んでいないくせに、
腕に対して「緩め!!」というような、
きわめて身勝手なことをやっていたのです。

このようなことに気づいて身近な人たちを見渡してみると、
ほとんど全ての人が同じことをやっていると感じます。

ガンダムの世界でいえば、
「オールドタイプ」にさえなっていないのです。

だから私たちはまず、

「地球の重力に魂を引かれる」

ことから始める必要があります。

リラックスするために身体のどこかを「緩める」のではなく、
自分自身が主体的に「緩む」

この他動詞から自動詞へのアプローチの転換が、
脱力修練には重要だと思うのです。

そしてそれこそが、
ガンダムの言葉を借りれば、

「人の革新」

へとつながる道だと、
私は考えています。

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