「気持ち悪い」
初めて修練に参加する人に、よく言われる(笑)
先日、初対面の方4人に、
武颯拳をお伝えする機会があった。
そういう時には大体、カラダをグニャグニャと動かすところから始める。
肩甲骨、鎖骨、肋骨、背骨、骨盤。
それらを出来るだけバラバラにするように。
肩や腰をガッチリ掴まれても、
まるで抵抗なく動けるように。
ちなみにこの4人、本当に熱心な人ばかりで、
修練は心から楽しめた。
そしてそんな気持ちの良い人からも、
ちゃんと頂いた「気持ち悪い」のお言葉。
実は彼らだけでなく、私自身も感じている。
ただ、その感じ方は真逆を向いていると思う。
「こんなにグニャって気持ち悪い」
のか、
「この程度しか動かなくて気持ち悪い」
のか。
どっちにしても、「気持ち悪い」ことには変わりがないか。
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この、グニャグニャ動く目的の一つは、
「中心感覚」を身につけることにある。
手足という末端を直接的に動かさない。
腰やお腹、股関節といった、
身体の中心を柔らかく動かすことで、
結果として手足が動く。
文字にすると簡単に思えるかも知れないが、
ハッキリ言って思い通りにはならない。
例えば手が動くように腰を動かそうとしてみる。
途端、自分の手が何処にあるのか分からなくなる。
いきなり手を動かすというやり方においては、
身体に麻痺のある人以外はみんな、
自分の手がどこにあるかを知っている。
けれども少しだけ動かす順序を変えただけなのに、
手の存在を見失ってしまう。
自分のカラダがブラックボックスだと気付く。
その中を手探りで、いや、手を探すのに手探りは出来ないな、
とにかく自分の手を見つけ出さないといけない。
腰やお腹をグニャグニャと動かしながら、
身体の中心と関連付けた形での手を再発見する。
そんな作業を楽しめるかどうか。
それが上達への分かれ道。
再発見することができた時。
その手はきっと、武装色の覇気を纏っている。
私自身はというと。
駅のホームで電車を待ちながら。
コンビニの雑誌を立ち読みしながら。
エレベーターの行き先階表示を見ながら。
気付いたら腰をグニャグニャと動かしている。
確かに、気持ち悪い(笑)
けど、そんな気持ち悪い自分が結構好きだったりする。