力を抜いて力を出すという脱力トレーニングは、
カラダを使う技術全般に応用出来る。
その中でもとりわけ役立つのが、
マッサージや整体といった、
直接相手のカラダに触れる技術だと思う。
上手な整体やマッサージの特徴の一つは、
「一体感を感じられる」こと。
施術する側とされる側の力のやり取りが、
スムーズに行われるほどに、
この一体感が大きくなっていく。
すると施術を受ける側は、
安心してカラダを委ねることができるので、
より深いリラックス状態になる。
ではなぜ、脱力トレーニングをすると、
この一体感を感じやすくなるのか。
腕立て伏せの記事にも書いたけど、
普通のやり方で腕で相手を押そうとすると、
自分から相手を突き放す運動になってしまう。
だから、せっかくカラダを近づけて、
体重をかけて施術しようとしても、
一体感を感じられることは少ない。
どうしても腕は相手を突き放しているから。
これだと、
「あなたはあなた、わたしはわたし。」
という関係性が変わることはない。
それに対して脱力による施術は、
カラダを緩めることで水の塊へと近づけていき、
動きの波を力として相手に伝える。
水滴をイメージしてもらえれば分かるように、
水は何かに触れるとくっつく性質がある。
水滴と水滴が触れ合った瞬間、
一つの大きな水滴に変わるよね。
つまり、カラダが緩んで水に近づくほどに、
触れた相手との境界線は曖昧になる。
「わたしとあなたで一つのもの」
という一体感を感じやすくなる。
もちろん、
マッサージや整体を受けに来る人の好みはそれぞれ。
ただ、本当にカラダを緩めたい、
緩めてあげたいのであれば、
脱力トレーニングは大いに役立つと思う。