ココロとカラダとコトバの研究をしてる先生が、
自我はTVのようなものだと言ってた。
「私の現実」を映し出すTV。
実際のTVのように、
本来はチャンネルを変えることで、
好きな番組を選んで見ることができる。
にもかかわらず気がつけば、
いつも同じチャンネルばかりを見てしまっている。
いや、普通はそのことに気づくこともほとんどない。
自我はTVのようなもの。
人が世界を電気信号に変換して認識している以上、
この例えは仕組みとして正しい。
にもかかわらず、
この例えの正しさを実感として感じることは難しい。
自分の身に起こることを、
TVを見る気分で客観的に扱うことは、
そうそう出来ない。
それが不愉快に感じるものであればなおさら。
TV番組とリアルワールドの違い。
その最大のものは、
「カラダがあるかどうか」
だと言える。
もう少し詳しく言えば、
「身体感覚という情報の差」
ということになる。
TVの旅行番組を見ても、
実際に自分が旅先にいるとは思わない。
視覚と聴覚の情報だけでは、
人はそれをリアルな現実とは感じないから。
でももしそこに旅先と同じ風の匂いや肌触り、
砂利や石畳を踏みしめる感覚があればどうだろう?
もちろん実際にはTVだと、
周りの視覚などとの整合性から、
現実でないとの判断はできる。
ただ、その時点における「現実っぽさ」は、
ただのTVより確実に強くなる。
そして電気信号だけで世界に触れている私達は、
「現実っぽさ」の強度でしか、
現実と非現実を分けられない。
つまり身体感覚という情報が変われば、
その分だけ「私の現実」を変えることになる。
TVのチャンネルを変えるように。
動画では、腕と脚を2人に押さえられている。
普通に動かそうとしても簡単には動かない。
それは、
「強い力で押さえられているから動けない」
という「現実」を作り出しているから。
そこで自分の重心とマットからの抗力、
という身体感覚を知覚してみると、
「押さえられているけど動ける」
ことが「動く前」に分かる。
それはつまり身体感覚が変わった時点で、
「動けない」から「動ける」へと、
「私の現実」が変化しているということ。
ただ寝てる状態で手足を動かす中に、
「身体感覚の変化による現実の再構築」
なんて事が起きていたりする。
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