第3の選択

第3の選択

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「第3の選択」

について書きます。

「脱力」を意識して武術の修練をしていると、
必ず突き当たる壁があります。

それは、

「力を抜くと、弱くなる」

という思い込みの壁です。

例えば相手が押してくるのを受けて、
動かされないように立つ修練をしているとしましょう。

相手が力いっぱい押してくるのに対し、
普通はこちらも同じように頑張って対応します。

けれども「脱力」の修練ですから、

「力を抜きなさい」

と、当然言われるのです。

そして、

「はい、わかりました!!」

と言って力を抜くと、
相手に簡単に押されてしまう。

あるいは、

「力を抜くのですね!!」

と言いながら、
全く力を抜くことが出来ない。

このように、

「頑張る or 頑張らない」

の、

「二者択一」

になってしまうことが、
この手の修練では本当に良くあるのです。

そしてこのどちらを選んでも、
修練としては不正解。

修練の目的を理解していないということになります。

なぜならこの修練は、

「動かされないように立つ」

ことが目的の修練なのですから。

だからこの修練を行うのであれば、

「ただ動かされないように立っている」

ことをすればいいのです。

にもかかわらず、

「動かされないようにするには、こうしなければならない。」

という思い込みが、
自分でも意識していないうちに働いてしまう。

その結果、

「押されないように頑張る」

か、

「頑張らないと押されてしまう」

という本来の目的とは違った

「二者択一」

の罠にハマることになるのです。

くどいようですが、
この修練の目的はあくまで、

「動かされないように立つ」

ということ。

「頑張る or 頑張らない」

ではなく、

「動かされないように立つ」

ことをすればいいのです。

さらに突っ込んで話をすれば、

「押される or 押されない」

ということからも意識を外して、

「立つ」

ということに意識を向け続ける。

その時に身体の中で起こっていることを、
注意深く観察して感じ取る。

それがこの修練本来の目的です。

つまり、

「誤った二者択一の罠」

から抜け出して、

「第3の選択」

をするというわけです。

そしてこれは、
別段修練に限ったことではありません。

私たちの何気ない日常においても、

「誤った二者択一の罠」

は至る所に存在しています。

何か不愉快なことが起きた時、

「怒り出す or 我慢する」

のどちらかしか選べないと思っていませんか?

けれどもそこにはもしかすると、

「立ち去る」

「受け流す」

「無視する」

といった、

「第3の選択」

が存在するかもしれない。

もちろんいつでもそれを選べるとは限りませんが、
少なくとも探そうとしてみるようになる。

それが脱力修練の、
大きな効果の一つだと思うのです。

P.S.

もっと多くの方に来て頂いて、
より幅広く学べる環境。

さまざまな取り組みをされている人たちが、
「脱力」というキーワードで交流できる場所。

武颯塾大阪支部と神戸修練会を、
そんな場所にしていきたいと思っています。

このブログを読んで興味をお持ちでしたら、
ぜひ、ご連絡ください。

修練参加でも、質問でも何でも結構です。

ピンとくるものがあれば、
遠慮なくメールをください。

musou-tensei@eurus.dti.ne.jp

楽しみにしております!!

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太極拳において目指す身体の在り方が映像で見られます。

「太極拳・基本練功 第1巻 発勁体得 [DVD]」

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「脱力」について興味のある方はこちらをご覧ください

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武颯塾セミナーのチラシ

こんにちは、ワタルです。

先日お伝えした武颯塾大阪支部セミナーの件ですが、
遅ればせながらチラシを作成しました。

$脱力~Reset Style(リセットスタイル)~-武颯塾セミナーチラシ

ガンバって作ったので、
ぜひとも見てくださいw

大阪支部修練生は、
プリントアウトして最大限活用するように♪

ちなみにこれを作るのに使ったソフトは、

Adobe Fireworks CS6 Windows版

というものなのですが、
今後は次のバージョンのフォトショップに機能統合され、
無くなってしまうことに。

デザインのプロの方は別として、
私のように個人レベルで使うには、
とても使い勝手が良いソフトだったのに…。

それはともかく、
セミナーは本当におもしろいです。

「武術で開く可能性の扉」

とタイトルにもありますが、
自分の身体が持っている可能性に気付ける内容です。

ぜひ、会場に足を運んでみてください!!

武颯塾大阪支部セミナーのご案内

こんにちは、ワタルです。

タイトルにもありますように、
12月8日の日曜日にセミナーを行います。

$脱力~Reset Style(リセットスタイル)~

セミナーテーマは、

「護る(護身・護心)・護る(介護)・癒す(治療)」

です。

講師は武颯塾東京本部より、

茂呂隆師範

茂呂恵子師範

の両師範が来阪して務めて頂きます。

両師範により、
武術と介護と治療とが全く同じ原理の元に行われる。

それを目の前でみて、触れて、体験することで、
古来より言われている、

「武医同源」

という言葉の本当の意味を、
身体を通して理解してもらえることでしょう。

「脱力」をベースとした身体の使い方を学ぶことが、
自分や身近な人を護り、癒すことにつながるのです。

私たちの実生活において、

「護身」

を必要とすることはほとんど無いように思えるかもしれません。

ですが、例えば仕事や家族の事情で、

「介護」

をしている人にとってはどうでしょうか。

襲い掛かってくる相手はいませんが、
自分の身体をケガから護る必要はありますよね。

さらに言えば、

「護心」

という意味においてはどうでしょう。

私個人の意見になりますが、
インターネットと携帯電話の普及によって、
生活していく中で受けるストレスは激増しています。

「いつでも誰かとつながっている」

ということは、

「ストレスを受ける機会が圧倒的に多い」

と言うこともできるのです。

そういう意味においては、

「護心」

とはあらゆる人にとって、
取り組む必要があるテーマだと言えるでしょう。

また、そういう世相を反映して、

「癒し」

が求められるようになって久しいです。

整骨院や整体院、それにマッサージ店の数は、
今やコンビニの次に多いのではないかとさえ思えます。

ですがこの「癒し」の業界も、
介護と同じく施術者に多くの負担がかかっています。

施術者がくたびれた代わりに、
お客さんが楽になっているのです。

ですがもし、施術者が楽になった分だけ、
お客さんも楽になる方法があったら…。

「脱力」による身体運動を学ぶことは、
そこにつながっていくのです。

「自分を護り、身近な人を護り、そして癒す。」

言葉にするとありきたりかもしれませんが、
「体験」することでその本当の意味がわかります。

12月8日はぜひ、
武颯塾大阪支部セミナーにお越しください!!

-記-

武颯塾大阪支部セミナー

「護る(護身・護心)・護る(介護)・癒す(治療)」

日時:12月8日(日) 14:00~16:00

費用:3000円(学生2000円)

場所:浪速スポーツセンター
   大阪市浪速区難波中3丁目8番8号
   (大阪府立体育館の裏にあります)

※場所のお問合せは、06-6643-6444にお願いします。

最寄り駅:南海線「難波」、地下鉄「なんば」、近鉄線「なんば」、JR線「難波」

※動きやすい服装でご参加ください。

お申し込み

武颯塾東京本部道場 ℡03(3590)5885 
muso-ken@coda.ocn.ne.jp

または

musou-tensei@eurus.dti.ne.jp まで

P.S.

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股関節を緩める(腰痛・膝の痛みの解決に向けて)

股関節

 

こんにちは、ワタルです。

今日は久しぶりに、
「整体」というテーマで書いていきます。

私は去年の12月から、

「ミナミで学ぶ、整体と介護」

と題したセミナーを、
難波の浪速スポーツセンターで行っています。

そこでは様々な身体の不調に対する施術や、
介護の動作をテーマとして取り上げて、
どうすれば無理なく効果的に動けるかを伝えています。

その中で私が担当しているのが、

「整体道場」

です。

文字通り「整体」のやり方を、
武術の修練と同じ観点から解釈してお伝えしています。

そしてその目的とするところは、

「相手を緩めることで自分も緩む」

というもの。

整体やマッサージをしてあげることが、
「負担にならない」やり方を身に付けて頂くのです。

整体やマッサージを職業にされている方なら良くわかると思うのですが、
どうしても「頑張って」施術してしまうのですよね。

すると自分がしんどいだけでなく、
施術の効果も努力に見合わないものになってしまう。

けれども、自分自身が脱力して、
その時に生まれる力を相手に伝える。

そういうやり方を身に付ければ、
まずは自分が疲れなくなります。

そしてそれが上達するほどに、
相手の身体の奥深くにまで浸透する力を使えるようになるのです。

そんな「整体道場2013.11.2」のテーマは、

「股関節を緩める」

というものでした。

このテーマの重要性は、
まだ世間一般に知られているとは言えません。

ですが身体の構造上より中心に近い「股関節」を緩めることで、
本当に様々なメリットがあるのです。

例えば多くの方が悩んでいる、
「腰痛」「膝の痛み」

その治療のために、
整形外科や整骨院に通っている方も沢山いますよね。

ですがそこで伝えられるそれらの予防策と言えば、

「腹筋と背筋を鍛えましょう」

「太ももの前側の筋肉をつけましょう」

といったものがほとんどです。

けれども良く考えてください。

体重を腰や膝で無理に支えていることが、
その痛みの原因ですよね。

それなのに腰周りや膝周りの筋肉を鍛えたら、
なおさらそこに頼ってしまいます。

つまり一時しのぎにはなっても、
「本質的な解決」には向かっていないのです。

では、「腰痛」「膝の痛み」に対する、
「本質的な解決」とはどのようなものなのか。

それは、

「体重の支え方を変える」

ということ。

もちろんそれには様々な段階がありますが、
その中でも重要なポイントの一つが、

「股関節を緩める」

ことなのです。

解剖図を見るまでもなく、
「股関節」「腰」「膝」の間にあります。

つまり「股関節が緩む」ということは、

「腰の下にクッションを入れる」

「膝の上にクッションを入れる」

ということと同じなのです。

そう考えると、

「股関節を緩める」

ということが、
「腰痛」「膝の痛み」にどれだけ効果的か、
分かって頂けるでしょう。

そんな効果的なアプローチをお伝えしている、

「整体道場2013.11.2」

のセミナー動画をアップロードしました。

少々長いですが、
何度も繰り返しご覧になってください。

きっと得られるものがあるはずですよ♪

P.S.

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「南無阿弥陀仏」について考える

南無阿弥陀仏

 

こんにちは、ワタルです。

今日は、

「南無阿弥陀仏」

について考えてみます。

みなさんご存じのとおり、
仏教の一派である浄土宗や浄土真宗で唱えられているアレです。

浄土宗や浄土真宗については、
中学校の歴史の時間で習いましたよね。

法然上人が開いた浄土宗と、
その弟子である親鸞聖人が開いた浄土真宗。

教科書に書いてあった程度の知識ですがその教えは、

「南無阿弥陀仏」

と唱えることで、
難しい修行をしなくても極楽浄土に行けるというものでした。

これを習った当時の私は、

「なんてムシの良い話だw」

と思っていました。

それが本当なら誰も苦労はしないよ、と。

ですが細々と武術の修練をしてきた今では、
少し違った考えを持っています。

「南無阿弥陀仏」

の教えには、
もっと深い意味があるのではないかと。

そう考えてみたときにある仮説にたどり着いたので、
それを書いてみようと思ったわけです。

ちなみにこの、

「ただ南無阿弥陀仏と唱えていればいい」

という話を最初に聞いたときに私が想像していたのは、

「何か都合の悪いことが起きた時に唱える」

というものでした。

それはドラマやアニメの影響もあるかもしれませんが、
これを読んでいる皆さんもそうではありませんか?

日本昔話なんかで、
鬼が来ることに怯えながら家の中で唱えている。

そんなイメージを持っていたのは、
私だけではないと思うのです。

そしてそうしたイメージにおいては当然、

「そんなの意味無いよ」

と言ってしまうわけです。

しかしこのイメージの前提を変えてみたらどうでしょう?

「都合の悪い時にだけ唱える」

のではなく、

「起きている間ずっと唱え続ける」

のだとすればどうか。

随分と話は違ってきますよね。

それはそうそう出来るものではないし、
ムシの良い話でもなくなってくる。

つまり私が考えた仮説とは、

「南無阿弥陀仏は唱え続けなければ意味がない」

というものなのです。

たとえどんな時でも。

仕事をしている時、
友達と話をしている時、
家族と食事をしている時、えとせとら。

いついかなる時においても意識のある限り、
南無阿弥陀仏と唱え続ける。

念仏を唱えることに集中することで、
自分の中の余計な思考や感情から解放される。

これがおそらく、
法然上人が伝えたかったことなのではないでしょうか。

お坊さんでもある後輩によると、
法然上人はもともと比叡山の天台宗にいたそうです。

比叡山と言えば、

「千日回峰行」

が有名ですよね。

三年にわたって野山を駆け回り続ける。

そんな厳しい修行が出来なくても、
ただ一日中念仏を唱えていれば良い。

法然上人にとってはそれは、
誰でも簡単にできる修行方法に思えたことでしょう。

なにせ比べる対象が超人的な修行なのですから。

けれどもそれを聞いた一般の人にとってはどうでしょうか。

起きている間ずっと念仏が頭の中で鳴っている人など、
まずいないと言えるでしょう。

私としてはここに、
教えることと教わることの難しさを感じます。

おそらく法然上人の話を聴いた人たちは、

「ああ、こんな簡単なことで極楽に行けるんだ」

と思ったことでしょう。

そしてそれを伝えた法然上人も、

「そう、こんな簡単なことで良いんだよ」

と思って伝えたはずなのです。

ですがそれぞれの理解している教え、

「ただ南無阿弥陀仏と唱えていればいい」

という言葉の間には、
絶対的な違いがあります。

その違いとは、

「回数」

です。

ただ話を聴いた人たちはきっと、

「思い出した時に念仏を唱える」

という理解と行動をしたことでしょう。

けれども法然上人の教えでは、

「起きている間ずっと念仏を唱える」

という行動を要求しているのです。

もちろんこれは私の仮説なので、
実際の法然上人の教えがこの通りとは限りません。

ですが一説によれば法然上人自身は、
1日に60,000回の念仏を唱えていたそうです。

仮に1秒に1回唱えたとしても、

60,000秒=1,000分=16時間40分

かかるわけです。

そう考えると、

「起きている間ずっと唱え続ける」

ということにも、
真実味がでてきますよね。

…話しが逸れましたが、
結局ここで言いたかったことは、

「教わった通りに行うことが如何に難しいか」

ということ。

法然上人のように1日60,000回の念仏を唱えている人は、
ほとんどいないことでしょう。

武術を学んでいる私自身も同様に、
教わったことを本当に理解しているのかどうか、
はなはだ怪しいものです。

だからこそ師の教えは、
何度も何度も繰り返し受ける必要があるのです。

一度聴いただけで分かった気になる自分を抑えて、注意深く教えを受ける。

そういう態度が、
何かを学ぶときには絶対に必要になる。

南無阿弥陀仏について考えていて、
ふとそんなことを思った次第です。

P.S.

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