ここのところ続けて書いている、
「支点を意識する」修練の例を紹介します。
動画自体はただ相手を押しているだけに見えるかもしれませんので、
簡単な説明をします。
この修練の条件は以下の通りです。
1.足を動かしてはいけない
2.相手のボディーは突いてOK
つまり表面的な目的は、
「相手からは突かれないように相手を突いたり動かしたりする」
というものになります。
接近した状態で位置を変えられない以上、
突かれないようにするためには相手の手に触れていることが重要です。
自分が突くために相手の手を放してしまうと、
相手からも突かれる可能性が出てきてしまいますから。
ですからここでは、
「相手の手に触れたままで突ける、あるいは相手の身体を動かせる」
という状態になりたいわけです。
相手の手に触れた接点を「作用点」として動いてしまうと、
相手の身体を動かすことは非常に難しくなります。
相手がよほど自分の力に正直に抵抗してくれない限り、
手は動かせても身体は動かせません。
そこで、接点を「支点」として動くことが必要なのです。
相手の手に触れた接点を「支点」とすることで、
作用点を「相手の重心」におくことができます。
すると「レバレッジ」が形成されるので、
「自分が動く」ことが即、
「相手を動かす」ことになるのです。
もちろんある程度の自由攻防ですので、
「支点」となる相手との接点は動き続けます。
「接点」の「支点化」が進んでいないと、
すぐに今までの習慣で「作用点」として扱ってしまいます。
それをいかにして「支点化」の意識を持ち続けるかが、
この修練の本当の目的なのです。
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