前回に引き続いて、
「重心移動」について考えていきます。
「重心を移動させる」動きと「重心から移動する」動きは、
一体何が違うというのでしょうか?
「重心を移動させる」動きは、
多くの方にとってなじみ深いものだと思います。
歩いたり走ったりするときに、
「つま先で地面を蹴る」というのがその典型です。
筋力を使って何かを押したり引いたりすることで、
身体を移動させる。
その結果として重心を移動させる動きが、
「重心を移動させる」動きなのです。
では、「重心から移動する」動きとは、
どのような動き方なのでしょう。
このことを理解するためにはまず、
「重心」について理解しなければなりません。
以前の記事でも触れましたが、
「身体に働く重力(の合力)と抗力(の合力)の作用点」
が身体の重心であると言えます。
つまり「重心」においては、
すでに様々なベクトルの「力」が働き続けているのです。
この「すでに働いているベクトル(=重力と抗力)」によって移動することが、
「重心から移動する」ということなのです。
ここで整理しておきましょう。
「重心を移動させること」=筋力による移動
「重心から移動すること」=重力と抗力による移動
練気武颯拳で修練する「重心移動」とは、
「重心から移動すること」を指しているのです。
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