占いと選択、そしてトレーニングについて

占いと選択、そしてトレーニングについて 

修練場所を借りている神戸の元町商店街には、

占いのお店が結構ある。

実は今借りている部屋の隣も、

以前は占い屋さんだった。

俺は行ったことがないけど、

知識や技術については興味がある。

ただ、人に相談して何かを選択する習慣が無いから、

多分お客にはなれないと思う。

というかぶっちゃけ、

自分のことを自分で決められない、

優柔不断な人が行くところでしょ?

なんて思っていた。

彼の話を聞くまでは。

 

今年の夏から来年1月いっぱいまでの、

期間限定で参加している修練生N氏。

脱力なんてマニアックなことをやっていると、

やっぱりマニアが集まってくる。

そしてその中でも、

N氏はオンリーワンな立ち位置を確保している。

彼はひと所にとどまっているのが苦手で、

数ヶ月ごとに住む地域を変え続けているという。

もちろん仕事も変えながら、転々と。

で、前の住処で習い始めた太極拳が面白くて、

神戸に来た時に探した結果、

ウチに来てくれるようになった。

 

そんな一人ジプシーのような彼が、

次の行き先を決める方法。

それが占いだったりする。

アカの他人の発言を土台として、

仕事や住む場所を選ぶ。

それは俺にはとても信じられない行為だけど、

本人曰く、自分自身にどこへ行きたいとか、

どんな仕事をしたいとかいうビジョンが無いから、

占いおじさんの言う方角に行くことに決めたらしい。

なんていうか、「自分が無い」という、

一見ネガティブに思える事象も、

ここまで徹底すると逆に清々しい。

優柔不断とか言ってゴメンなさい。

 

こうやって占いについて書いていると、

選択という行為について考えさせられる。

冒頭ではまるで俺が、

自分の意思で物事を選んでいるように書いた。

でもそれは色んな情報を自分のフィルターに掛けて、

もっともらしい理由としてるだけかもしれない。

その情報自体は結局のところ、

他人の発言の寄せ集めかもしれない。

だとすればそれは、

選択を占いに丸投げする行為と、

さほどの違いは無い。

選ぶ対象が異なるだけ。

それは様々な情報を選ぶのか、

情報を選ぶためのフィルター自体を選ぶのかの違い。

そう考えてみると、

フィルターを選ぶ行為の方が、

より上流での選択を行なっている気もする。

 

書いているうちに面白くなってきたので、

この「フィルターを選ぶ」という考えを、

トレーニングに当てはめてみよう。

 

一般的なトレーニングでは、

「自分」が競技に合わせた運動のやり方を練習する。

「自分」というフィルターを変えることなく、

そのやり方の良し悪しを判断したり、

あるいは得手不得手が決まったりする。

それはゲームに例えるなら、

ジョブごとにステータスや特技が決まっているようなもの。

どれだけ経験値を多く稼いでも、

「戦士」が魔法を使えるようにはならない。

なのでこの方法論においては、

フィルターに適した競技に取り組むことが、

成果を出すための重要な条件となる。

「戦士」は前衛で肉弾戦をして、

「魔法使い」は後衛から援護射撃をする。

その逆は無いし、やってもうまくいかない。

そしてフィルターと競技性がピッタリ一致すると、

「才能のある人」と呼ばれるわけだ。

 

それに対して脱力トレーニングや太極拳は、

自分というフィルターを変えようとする。

立ち方や座り方、歩き方や腕の上げ下げなんかを、

しつこいくらいに掘り下げてトレーニングする事で、

運動のやり方以前のカラダのあり方を見直す。

それをゲームの例でいうなら、

「戦士」から「魔法使い」へのジョブチェンジ。

だから、相応の経験値を積めば、

力が強くて魔法も使えるキャラになれる。

リアルのスポーツだと、

練習の意味が深く理解できたり、

出来そうもないと諦めていた技術が、

いつのまにか出来るようになる。

 

以上、両者を比較した上で、

俺が取り組むのは脱力トレーニングなんだけど、

当然メリットばかりではない。

デメリットもハードルもあるし、ちゃんと書く。

 

デメリットの最たるものは、

習得にそれなりの時間が掛かること。

生まれてこの方身に付けてきた様々なカラダづかいと、

その上に積み重ねた競技トレーニング。

それを一旦リセットしようとするわけだから、

一朝一夕ですむはずがない。

「戦士」が「魔法使い」にジョブチェンジしたら、

当然レベルを1から上げ直す必要がある。

一応「戦士」のステータスもある程度残るから、

全く同じ時間が掛かる訳じゃないのが救いってところ。

 

そしてハードルの一番大きなものは、

「自分」というフィルターへの愛着。

姿勢や歩き方にまで、

他人から細かく言われたくはないよね、普通。

自分が住むところを占い師に決められることに、

抵抗を感じるのと同じように。

つまりほとんどの人は、

「戦士のままで魔法も使いたい」

と思っている。

書いている俺自身も含めて。

そう考えてみるとN氏のように、

「自分」というフィルターを外して、

占いという他人のフィルターに丸投げするという行為も、

トレーニングの一環だと言えなくもない。

とにかくジョブチェンジしてみるという意味で。

もちろん何を代わりのフィルターに選ぶかは、

充分に吟味したいところだけど。

 

先にも書いた通り、

N氏は1月末には神戸を離れる。

次はもう一度東京に戻って、

途中まで覚えた太極拳を最後まで習うそうだ。

出会った時にそう聞いていたので、

俺は太極拳の型は教えていない。

ただ、姿勢や歩き方、腕の上げ下げなんかを、

様々な切り口で伝えている。

それが彼の今後の選択に役立つことを願いながら。

 

 

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もっと多くの方に来て頂いて,
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このブログを読んで興味をお持ちでしたら、
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